【HABUTA’S SHOPPING MANUAL 1 TO 100】No.001・No.002

バイヤーの羽太です。前回の投稿では、私が何回も読み返す本について触れました。
スタイリストのソニア パークが記した、彼女が惚れ込んだ300個のアイテムたち。
【SONYA’S SHOPPING MANUAL 1 TO 301】
この仕事に就いて丸26年。
わたしの惚れ込んだアイテムってどんなものだろう。
わたしの視点てどんなだろう。
勝手に、【HABUTA’S SHOPING MANUAL 1 TO 100】はじめます。
No.001 Robert Clergerie(ロベール・クレジュリー)のブラウンのパンプス / No.002 COACH (コーチ) のブラウンのポシェット

001と002は、いずれも23年ほど前に購入したとても古いもの。
両方とも未だに現役です。
001:
私が生まれた1970年代、これまた大好きな『シャルル ジョルダン』の靴職人だったロベール クレジュリーが、1981年に自身の名でブランドをスタートしたパリのシューズブランド。
阪急百貨店に入社後、大阪勤務を経て初めて配属された「数寄屋橋阪急」(2004年に営業を終了)の2階で彼の靴が扱われていました。
ヒールと靴底を何度か張り替えましたが、それ以外は当時のまま。
かれこれ20年近く、秋と冬を中心に履き続けています。
ほんの少しの甲の深さと控えめなウエッジソール。
足幅が狭くて甲の厚みが薄い私の足を、履くたびに手のひらで包み込むような感覚。私が身につけているもので、「それはどこのものですか?」と聞かれることが一番多いのもこの靴かも知れません。

張り替えようか?とも思うのですが、なんだかPUNKな感じが愛おしいので、ついついこのままに。
002:
茶色いスエードのポシェットは、COACHのものです。
今売られているCOACHと大きく表情が違います。
この頃の古いCOACHを、今はオールドコーチと呼ぶのだそうです。
だとすれば、わたしが好きなCOACHは全てオールドコーチ時代のもの。
野球のグラブのような、ずっしりとしたレザーでつくられたバケツみたいに大きなダッフルサックもオールドコーチの代名詞。
学生時代、沢山のテキストを入れると肩をも壊す重さに悲鳴をあげたものです。
それでも、持ちました。
大好きなトラッドファッションには欠かせませんでしたから。
このポシェットは、数寄屋橋阪急勤務時代、ふらりと寄った近くのコーチ日比谷店で購入しました。
中国の点心の包子のような愛嬌のあるフォルム。
反してすらっと長い紐を上のほうで一回結ぶと、とてもエレガントです。
ポケットの無い服を着るときにも重宝します。001に挙げたシューズと色の相性が良いので一緒に使うことが多いです。

名古屋にあるセレクトショップ“unlike”。
ここには、私が一目置く若い女性オーナーのユキさんがいます。
初めて彼女のショップを訪れた時、私はこの2点を身につけていました。
「このシューズとバッグはどこのですか?」尋ねてきた彼女に20年前のものだと話すと、「長い時間ずっと身に着けている人に、うちのお店のものを買っていただけて嬉しいです。」と。
私は古いものを買うのが大好きです。
長い時間をかけて、古いものにしていくことも、同じくらい大好きなのかもしれません。