デコヴィーニャ(DECOvienya) 第4回 デザインの発想と気分転換のバイク

最終回は、デコヴィーニャ独特の動物デザインは、どんな発想から生まれてくるのか? また息が合ったコンビ、坂井さん、郡さんのふだんの生活は? 四日市の商店街から、伝えていきます。
- SOUQ
- アクセサリーのデザインは、まずはデッサンしてから仕上げていくんですか?
- 坂井
- デッサンというほどのものじゃないですけど、アイデアスケッチを描いています。こういうやつですね。
- 郡
- この「ふんわりネコリング」って。コンビニ・スイーツじゃないんだから! もっといいのあるでしょ。

- 坂井
- アイデアを思いつくと、こうやって描いて見せるんですけど、この人はいつもグダグダ言ってきます。
- 郡
- 悪いけど、全然褒めないですね。
- 坂井
- ボクも、このノートを全然大事にしてなくて。執着がないんですよ。あっ、これは、めったに描かないですけど、ちゃんと描いた絵。「木陰のウサギ・リング」のアイデアスケッチですね。
- 郡
- こうやってちゃんと描いてくれたら、いいよねとなるよね。
- SOUQ
- すごく精密で立体的ですね。
- 坂井
- スタッフにはつくるのを嫌がられますけどね。

- SOUQ
- こういうデザインは、どういうときに思いつかれたりするのでしょうか?
- 坂井
- 机の前でじっくり考えていてもあまり出てこないので、たまにふと思いついたときには、絵に描くようにしています。オートバイに乗ったときとかにも出てきたりしますね。
- 郡
- 坂井はバイク用の倉庫も借りていて、ハーレーとか置いてますね。
- SOUQ
- 動物図鑑とかも置かれていますけど、参考にしたりしますか?
- 坂井
- 意外に見ないですね。たとえば新作を発表しなければならないのに、なかなかアイデアが浮かんでこないときとかは、本屋さんに行って図鑑などを買ってくるんですが、最終的にはあまり見ない。

- 郡
- どんな動物がいいかな? というネタ探し的な役割ですよね。
- SOUQ
- 坂井さんは、元々動物がお好きだったんですか?
- 坂井
- そうですね。飼うのも好きなんですけど、構造が好きだったり生物学的なことに興味があったり。
- 郡
- うちのウサギたちは、あまりポーズがないんですよ。もうちょっとバリエーションがほしいって言ったら、坂井が、「そりゃリスのほうが関節の可動域が広いからね」と言い出して。ああこの人と話をしても埒があかないなと(笑)。
- SOUQ
- リアルなものをつくっている以上、嘘はイヤなんでしょうね。
- 坂井
- デフォルメはしますけどね。ポーズをとらせて、ギリギリできる動きに抑えるようにはしています。
- 郡
- あまりリアルにお行儀がよすぎるポーズだと、剥製のように見えてしまうんですよね。

- 坂井
- そうやね。死んでるみたいに見えるよね。
- SOUQ
- 最近は、アクセサリー以外のアイテムもありますね。
- 郡
- 2年前ぐらいですかね。財布などの革のアイテムを突然始めました。
- 坂井
- アクセサリーとは、つくってもらうところが違うので、なかなか他の業態に入り込むのは難しいのですが、この人がなんかうまいこと取り入って…。
- 郡
- 言葉悪い!
- 坂井
- 教えてくれる人を見つけたんですね。
- 郡
- 新しいことを始めようとした時に、東京とか大阪だと、ちょっと動けばつくってもらうところは見つかる。でも三重にいるとそのへんが不利ですね。
- SOUQ
- なぜ革のアイテムをつくりたいと思われたのですか?

- 郡
- なんでもよかったといえばよかったんですけど。ポップアップなどに行くと、アクセサリーをすごくいいと褒めてくださる人が多いんです。ただ、アクセサリーってファッションに近いものじゃないですか。だから、「かわいいと思うけど、私はこれ着けられないかな」という人もいる。この人たちが持てるようなモノをつくれればいいなと思って。かばんの中に入るものならいいんじゃないかと。で、いろいろ考えたんですよ。ステーショナリーとかポーチとか。そんな中、声をかけてくださったのが、革に強い人だったんです。
- SOUQ
- アクセサリーでは、次のステップとして考えていることはありますか?
- 坂井
- 雑貨というよりは、純粋にジュエリーといえる商品ですかね。
- 郡
- 売っている側からの感覚でいえば、今は雑貨とファッションの間ぐらいで売れていると思うのですが、完全にジュエリーに寄せたアイテムを展開していけたら楽しいなと。値段を気にしないと無茶もできるんですよ。デザインももっと思い切ったものができるんじゃないかと思いますね。

- 坂井
- ボクと郡は、アンティークのリングやブローチが好きなんですよ。その中でも動物モチーフって結構あるんですよね。だから次につくるのなら、そういうものをもっとウチらしくできればいいねとお互い言ってるんですけどね。
- 郡
- だからイメージは共通の認識としてあるんですけど、モノとしてできあがって来たときに、それがどこまでお客様に受け入れられるか。売る場所も必要ですし、ハードルは高いですけど、チャレンジしていきたいですね。
- SOUQ
- アトリエで煮詰まったりすると、どうしてますか?
- 坂井
- バイクに乗ったり、ガレージが歩いて10分ぐらいなので、そこまで行きますね。


- 郡
- 私はセブンイレブンに行くぐらいですかね。
- 坂井
- いっしょにごはん行くときは、[スシロー]行ったりするよな。

- SOUQ
- この商店街は、本当に立派なのですが、仕事の合間にぶらぶらしたりするんですか?
- 郡
- 普通に生活の場として使ってますね。四日市でみんなよく行くカフェが商店街の中にあるので、そこに行ったり。私が小学校の頃からある純喫茶もすぐ近くなので行ったりします。
- SOUQ
- なにか、四日市の商店街の中でのゆっくりしたペースの生活が、創作にもいい影響を与えているような気がしますね?
- 郡
- そうなんですかね? ふだんはそんなに感じませんけど、ポップアップショップなどで東京や福岡へ行って、ここに帰ってくると、ホッとしますね。

取材・文/蔵均 写真/桑島薫
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DECOvienya(デコヴィーニャ)
「DECOvienya(デコヴィーニャ)」は、リアルだけど可愛く、少しブラックなユーモアを感じさせる動物達が特徴のアクセサリーブランドです。