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4103(ヨンイチマルサン)前編 憧れから生まれ指先で導かれる、「余白」を残したデザイン

4103(ヨンイチマルサン)前編 憧れから生まれ指先で導かれる、「余白」を残したデザイン
今回のPICKUP CEATORでご紹介するのは、カラフルなヌメ革を使ってお財布や名刺入れなどのレザーアイテムを展開している4103(ヨンイチマルサン)。余計なパーツは一切なく、手に馴染むシンプルなデザインは、どのようにして生まれたのでしょう。デザイナーの清冨さんにお話をお聞きしました。

気持ちのいい「きちんと」の中に使い手への余白を

4103(ヨンイチマルサン)のレザーアイテムの最大の特徴は、とにかくシンプルであること。他のブランドのアイテムに見られるようなボタンやジップなどは一切なく、縫い目も最小限。ヌメ革の質感のみが引き立つそのミニマルデザインに、背筋がスッと伸びるような気持ちよさを感じます。そして、余計なものがない潔さに、美しさすら感じるのです。

4103

「私、シンプルでなんにもない、みたいなものが好きなんですよ。あと、真四角とまん丸みたいに、最小限の要素で完成されている感じとか」清冨さんのこの言葉を聞いて、4103のアイテムに感じていた不思議な気持ちよさの理由が、わかった気がしました。

彼女は、こうも続けます。

「英語のイディオムにneat and tidyという言い回しがあります。これは、neatもtidyも〝きちんと〟という意味で、イディオムとしても〝きちんと〟という意味なんです。それが大好きで!(笑)例えば、同じパーツがきれいに積み重ねてある様とか、四角い窓がある一定の感覚で整列されている様とか」

ここまでをお聞きすると、とても几帳面でストイックな方なのかな……?と想像してしまうのですが、実はそうではないようです。

「もともとは、ガチャガチャしている人間で(笑)。だから、そういうきちんとしたものへの憧れを4103のアイテムに投影しているものかもしれません」

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削ぎ落としたシンプルなデザインに感じるのは、清々しく心地よい余白。そして、使う人のライフスタイルの一部に馴染んでいく余白。その余白こそ、気持ちよさの所以なのでしょう。

「アイテムに4103のロゴ刻印しているんですけど、できるだけ主張したくなくて。ロゴをミシン目のような破線と数字のみに改変して、できるだけさりげなく入れています」

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ちなみに、4103のロゴは、南京錠に4103の数字。ここにブランド名の由来が詰まっているのですが、みなさんはおわかりになりましたか……?ヒントは、デザイナーのお名前ですよ。

指先から生まれる折りの形に、最小限の縫いを添えて

4103のアイテムは、全てのパーツを糸で縫いあわせるのではなく、折りを巧みに使って形が成り立っています。それは、まるで折り紙細工のよう。

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「もともとレザーが持っている男性的な印象を払拭して、女性も持てるようなレザーアイテムを作りたいと思っていました。だから、できるだけ厚みを出さずに華奢なものにしたくて、縫い目やボタンなどのパーツを使わないデザインを考えるようになりました。それで行き着いたのが、折りで形を作っていくようなスタイル。どうやって折ったら目指している形になるのか、頭の中でイメージを膨らませて、実際にできるかどうかの確認作業として実際に紙で折ってみるんです。それでうまくいったら、実寸でパターンに落としていきます」

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紙を折ると聞いて、折り紙のようなサイズをイメージしていたのですが、実際に折っていたのは手元の収まるくらいのとても小さなメモ帳。そのサイズにも、実は彼女らしい理由が。

「私、会社員として働いていて、週の大半は勤める靴屋さんで接客をしているんです。私の作家としての活動にも理解のある社長なので、その方の元で働きたいという気持ちもあって、会社員との二足の草鞋を続けています。仕事の休憩中にアイデアを練ることが多いので、いつも手元にある小さなメモ帳がちょうどよくて。急にいい案が降りてくることがあるので、それを忘れないようにメモ代わりにサッと折ることもあります」

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折りがこのブランドのパターンの大きなポイントですが、部分的に縫いを施すのも、実は清冨さんのこだわり。

「折りだけでなんとかならないかな、と思いながら作っているんですけど、縫う部分を完全になくしたくはなくて。というのも、縫うことが工程の中で一番職人ぽいと思っていますし、縫う作業が好きなんです。何も考えずに無になれるので、手は動かしているけどメディテーション状態。座禅組んでいるみたいな感覚です。だから、終わった後は頭も心もスッキリ!でも、どうしても肩が凝るので筋トレするのが恒例になっています。私、筋トレが趣味なので、好きな作業とセットで結果的にハッピーです(笑)」

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リクエストから想像力を自由に広げ、自分らしいアイテムに

そもそも何を作るのか、というアイデアのスタートには、なにか動機があるのでしょうか。ふと気になって聞いてみると、「友人知人やお客様のご要望があって考えはじめることがほとんどです」と清冨さん。

「4103を立ち上げる以前は、靴作りをしていたんです。革を扱っていたから、頼まれたものや自分で欲しいものを作るようになって。靴って1ヶ月に1足くらいしか作れないので、それよりもスピーディーに形になってよろこんでいただける小物の方が段々楽しくなってしまって、今に至ります。お財布だったら二つ折りがいいとかコインケースが外側にあるのがいいとかお題をいただいて、どうやったらできるかを考えて、紙をくちゅくちゅっと折って。でも、できなかったらお断りしますし、できたとしても自分ぽくなくなったら作りたくないですし。入口はリクエストですが、最終的には、自分らしいものに仕上げたいんですよね。私、たぶんクセのある作家です(笑)」

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彼女が想像を膨らませるのは、見た目のデザインだけではなく、使う人のライフスタイル。

「以前、母子手帳のカバーをご依頼いただいたことがありました。双子のお子さんを持つ方への贈り物とのことだったので、二冊は挟める厚みを持たせ、診察券を入れることができるところも勝手に付けてみたんです。その縫い目をUの字がふたつ並んでいるような配置にして、おっぱいに見立ててお子さんの成長を祈願してみたりして。思いついちゃうと止められないんです」

その遊び心のあるアイデアもまた、使う人の笑顔を想像したからこそ生まれたものなのでしょう。

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そんな清冨さんが、今作りたいものはどんなアイテムなのだろうと気になってお聞きしてみると、これまた自称〝癖のある〟彼女らしい回答が。

「最近は、徐々に自分から作りたいものを探しにいくようになってきました。まだ世の中にはないかも、っていうものを作りたくなりますね。この間、ものすごくかっこいいバネがま口のパーツと出会ってしまって。今は、それが使いたくて使いたくて。通常はそういうパーツをほとんど使わないので、こういう時はよっぽどです。もう100個くらい仕入れちゃったので、バネがま口を使ったアイテムも作りたいんですよね。まだ、何も決まってないんですけど(笑)」

何も決まっていなくても、まず惚れ込んだパーツを仕入れる。その行動力に、勢いと瞬発力を感じ、さっきまでストイックな方なのでは? と思っていたのをすっかり忘れて、ますます清冨さんというユニークな人物に興味が湧いてしまいます。後編では、彼女の革へのこだわりとその魅力についてお話をうかがいました。

取材・文/内海織加 写真/桑島薫

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4103(ヨンイチマルサン)

レザークラフター

4103(ヨンイチマルサン)

使う人に寄り添い、生活を共にできるような、シンプルイズベストで誰にでも馴染むデザインを目指すレザークラフトブランドです。 一点一点、すべて手縫い、手作業で製作しています。ユニセックスというより、「ジェンダーレス」を目指したデザインを是非見て頂きたいです。

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