ARRO(アロー)第2回 考えるより先に手を動かしてイメージに近づける | SOUQ ZINE スークジン

ARRO(アロー)第2回 考えるより先に手を動かしてイメージに近づける

ARRO(アロー)第2回 考えるより先に手を動かしてイメージに近づける
自分らしくものづくりをしているクリエイターにフォーカスを当てる「ピックアップクリエイター」。〈ARRO〉のデザイナー・渡辺奈菜さんの第二回は、イメージを形にしていくまでのお話をお聞きしました。当然、紙にデザインイメージを描くところから始まるのかと思いきや、そうではないようです。
SOUQ
前回は、〈ARRO〉の発想の源についてお話をお聞きしましたが、何かアイテムのイメージが浮かんだときには、まずはイメージを絵に描いたりするのでしょうか?
渡辺
デザイン画は描かないんです。
SOUQ
そうなんですね!ちょっと意外でした!てっきり絵に描き起こすところからはじまることが多いのかとばかり。
渡辺
はい、そういうデザイナーの方は多いかもしれませんね。でも、わたしの場合は、描いても線だけとか、ラクガキみたいなもので。
SOUQ
メモ書きっていう感じですか?
渡辺
そうですね、後で思い出すために書き留めておく、くらいの感じです。
ARRO

白い紙でプロトタイプをたくさん作る

SOUQ
とすると、渡辺さんのものづくりは、どういうプロセスで行われるのだろう、とより気になってしまうのですが……。
渡辺
そうですよね(笑)わたしの場合は、紙に書くことからはじめるというより、紙で作るところからはじめるんです。
SOUQ
紙で作る!
渡辺
はい、白い紙を切ったり、折ったり、曲げたりしながら、形を作っていくんです。
SOUQ
工作みたいですね!
ARRO
渡辺
そうそう。手を動かして、ベストな形やラインを探っていくんです。頭で考えるよりも手を動かす感じで、じゃんじゃん作りますよ。
SOUQ
じゃんじゃん!ですか!
渡辺
デザインが定まるまでには、何十個もプロトタイプを作るんです。
ARRO
SOUQ
なぜ、そういうやり方を?
渡辺
デザインだけ考えていると、着けた時にかわいくない場合があるんです。こうして実際に作ってみれば、着けたときのサイズ感もイメージしやすいですしね。いつも大きくなりがちですけど(笑)
SOUQ
その存在感のあるサイズも、〈ARRO〉ならではですね。
渡辺
そうですね!わたしの場合は、そうやって直接立体でアウトプットした方が、〈ARRO〉で出したいイメージに近づく感じがするんです。
SOUQ
なるほど!それで、すぐに立体で作れないシチュエーションの時に思いついてしまったら、忘れないようにメモを残しておくんですね。
ARRO
渡辺
そうです。でも、基本的には、突然イメージが降ってくるというよりは、「よしやるぞ!」とデスクに向かってデザインを考えていくタイプなんです。
SOUQ
スイッチをデザインモードに切り替えるんですね!
渡辺
そうかもしれませんね。コレクション毎にテーマを設けるので、そういうのを最初から意識して、イメージを膨らませていくっていう感じです。

学生時代から備わっていた立体で考えるくせ

SOUQ
そういう立体的な発想の仕方は、〈ARRO〉立ち上げの前からですか?
渡辺
そうですね、振り返るとそうなのかもしれません。わたしは、もともと学校でファッションデザインを勉強していて、アパレルのデザイナーを目指していたんです。その頃にも、まわりからの反応がよかったのって、立体を作る課題だったりして。
ARRO
SOUQ
学生の頃から、立体を考えるのが得意だったんですね。
渡辺
そこまでの自覚はなかったんですけどね。でも、ブランドを立ち上げる前にアパレルのデザインをしていた時も、売り上げがいいのはバッグとかジュエリーとか。自分としても、そういう小物の方がいいものができたっていう自覚はあったんですよね。
SOUQ
その頃のものづくりのプロセスは、今のような?
渡辺
そうなんです、その頃から自然と立体で考えるタイプでした。プロセスも今とあんまり変わっていないですね。なんなら、洋服も立体から考えるタイプで。
SOUQ
なんと、洋服も!渡辺さんが立体的思考でデザインした洋服って、興味が湧きますね。
ARRO
渡辺
そういう作り方がわたしの中では自然だったのですが、学校とか職場にいると、デザインを平面から考える人の方が多いんだなぁ、と気づいて。
SOUQ
なぜでしょうね。でも、確かに、平面から考える人の方が断然多い気がしますね。
渡辺
そうですよね。そういうことを知って、立体から考えることは、わたしの強みかもしれないって思うようになったんです。

取材・文/内海織加 写真/東泰秀

頭で考えるよりも、手を動かす。そうやって、イメージをダイレクトに落とし込んでいるから、〈ARRO〉のアイテムは正面からだけでなく、横や後ろから見ても魅力的。そして、耳元で揺れるその動きもとても素敵です。次回は、渡辺さんが数ある手法の中から、なぜ機械刺繍を選んだのか、ということについてお聞きします。

Creator/Brand

ARRO(アロー)

デザイナー

ARRO(アロー)

架空の国の装身具をテーマに、世界中のテキスタイルをヒントに現代的な解釈で デザインし機械刺繍で製作。 豊かな色彩と立体感のある形は実際に存在するものではなく、空想上の楽園に存在するものを自由に表現。

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