ARRO(アロー)第4回 自分らしさをプラス できるひとサジの〝遊び〟を

素敵なアイテムを作り続けるクリエイターにお話をうかがう「ピックアップクリエイター」。〈ARRO〉のデザイナー・渡辺奈菜さんの最終回は、アクセサリーの楽しみ方とブランドへ込めた想いについて。〈ARRO〉というブランドの楽しみ方と可能性は、まだまだ無限大に広がっていきそうです。
- SOUQ
- 〈ARRO〉のアイテムをデザインする時に、大切にしていることってどんなことですか?
- 渡辺
- これは、デザインの仕事をしている時からそうなのですが、身につけた人が魅力的に見える、ということが最も大事なことだと思っています。そういうことにちゃんと責任を持ってデザインするように心がけていますね。

- SOUQ
- 〈ARRO〉は、身につけると新しい自分に出会えそうな、そんな気がするんです。うまく説明できないんですけど。
- 渡辺
- 嬉しいです。〈ARRO〉には、「かわいい」っていうのは意識していなくて、「楽しい」とか「かっこいい」とか、そういうキーワードがフィットするかもしれませんね。でも、「かっこいい」は、女性らしさがあるかっこよさというか。
- SOUQ
- わかります、かっこいいけど、ちゃんと女性らしさはある感じ。ちなみに、身につけている人のイメージって、具体的にされていますか?
- 渡辺
- そこまで具体的ではないですけど、自分のスタイルがある人、ですね。
ほんの一手間で楽しみ方は無限大に
- SOUQ
- 渡辺さんも素敵に着けていらっしゃいますが、オススメの合わせ方や着け方ってありますか?
- 渡辺
- 〈ARRO〉は、サイズも大きいですし、色彩もヴィヴィッドなものが多いので、シンプルな洋服に合わせるのがオススメですね。洋服自体もカラフルだと、その中に紛れてしまって存在感が消えてしまうような気がするんです。
- SOUQ
- 渡辺さんの今日のコーディネートも、まさにシンプルなアイテムに〈ARRO〉が引き立っていますよね。


- 渡辺
- こういう着け方だと、大人な年齢の方にも素敵だと思うんです。
- SOUQ
- 確かに、そうですね!
- 渡辺
- 片耳につけてもいいですし、髪の毛を片側だけ耳にかけて、アクセサリーを見せるのもオシャレかもしれません。
- SOUQ
- 渡辺さんのようなショートカットにもよく似合いますね!
- 渡辺
- 自分がショートカットなので、ついつい髪の毛の短い方に似合うデザインやサイズになりやすくなってしまうんです。
- SOUQ
- 前回、くしゃくしゃっと手でクセをつけて身につけたり、上下を変えて表情を変えたり、っていうアレンジの仕方も教えていただきましたよね。そういう遊びのバリエーションを自分で見つけるのも楽しいですよね。

- 渡辺
- そうですね。これは、洋服のデザインをしていた時に、2WAY、3WAYなど、使い方がたくさんあるものをよろこんでいただけている実感があったので、そういう楽しみをアクセサリーでも感じて欲しいっていうのはどこかにあったのかもしれません。

- SOUQ
- それが難しい手法ではなくて、ほんの一手間で簡単にできるっていうのもいいですね。確かに、お得感もありますし!
- 渡辺
- 誰でもすぐにできる一手間で、けっこう表情が変わりますよ。
- SOUQ
- そういう遊びを加えて新しい着け方を見つける行為って、渡辺さんが手を動かしてベストなフォルムを探っていくプロセスにも似ている気がするんです。そういうデザイナーのものづくりをほんの少し追体験できるのもいいですね。
- 渡辺
- なるほど、追体験とは考えていなかったのですが、確かにそういう一面もあるかもしれませんね。
あなたらしく想像の翼を広げてほしい
- SOUQ
- ところで、今更なのですが〈ARRO〉というブランド名は、どんな意味が込められているんですか?
- 渡辺
- 矢印を意味する単語ARROWが元になっています。矢印ってすごくおもしろくて、何かに矢印が表記されていると、そこに意味が生まれるんですよね。そこに想像の広がりや自由さを感じて。
- SOUQ
- なるほど!矢印!たしか、矢印の先になにかがあるかな?とか、矢印の方に促されるのはなぜだろう?とか、いろいろ想像が膨らみますね

- 渡辺
- 注目を集める、みたいな意味もありますしね!
- SOUQ
- 確かにそうですね!ここに注目!みたいな。
- 渡辺
- そうそう。わたしは、〈ARRO〉のアイテムも、使う人が勝手に意味を持たせてくれたらいいなって思っているんです。これは何の生き物だろう、っていうのも自由に想像して楽しんでほしいなって思っているんです。
- SOUQ
- 渡辺さんの想像の世界を飛び出して、着ける方の想像する世界で生きていくっていう感じがしますね。
- 渡辺
- そうかもしれませんね。おしゃれの楽しみ方やアクセサリーの着け方も、自由に楽しんでほしいです。ちなみに、スークさんに6月から出店させていただいて気づいたことなのですが……。

- SOUQ
- ……なんですか?(どきどき)
- 渡辺
- 関西圏の方って、見栄えのするものや色が目を引くものが人気なんですよ。みなさん、自分なりのおしゃれを楽しんでいる方が多いのかな、って。チャレンジしてくれる印象もあって、とっても嬉しいんです。
- SOUQ
- そうですか!地域性ってあるんでしょうかね。
- 渡辺
- 海外のセレクトショップにも置いていただいているんですけど、そのあたりは、海外の方の感覚と近いのかな、という印象がありました。
- SOUQ
- なるほど!おもしろい見解ですね!
- 渡辺
- 関西圏の方に限らずですが、ぜひ引き続き、楽しみ方を広げていただけたら嬉しいですね。
- SOUQ
- はい、おしゃれが楽しみになってきました!ありがとうございました!
取材・文/内海織加 写真/東泰秀
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デザイナー
ARRO(アロー)
架空の国の装身具をテーマに、世界中のテキスタイルをヒントに現代的な解釈で デザインし機械刺繍で製作。 豊かな色彩と立体感のある形は実際に存在するものではなく、空想上の楽園に存在するものを自由に表現。