ライフログを手書きで残す。新年を丁寧に始める手製本ノート。

ずっと眺めていたくなるテキスタイルの表紙
今回ご紹介するのは、ayanoichiyanagiの文庫本ノート。表紙がデザイナーの一栁さんによるテキスタイルの布張りで、それだけでもリッチな印象です。
自然のものがモチーフになっている絵柄が多いという彼女のテキスタイルは、色彩がじゅわーっとみずみずしく心に染み渡っていくよう。心に寄り添ってくれるようなそのやさしいタッチは、見ているだけで心をほっとさせてくれます。

表紙は、大きな布を裁断して作られているので、全てが1点もの。同じ模様の繰り返しではないので、布の取り方によって印象が少しずつ変わります。裁断は、手製本でノートを制作している京都の「すずめや」が行なっているそうですが、「その仕上がりも楽しみ」と一栁さん。
「すずめやの村松佳奈さんの布の取り方が絶妙で、そのセンスが素敵です。私自身、どんな風に切り取られてくるのか、毎回、その仕上がりを楽しみにしています。同じ布でも、取り方によって表情が変わりますから、そのちがいも楽しみながら直感で選んでいただけたら嬉しいです」。まさに世界に1冊のあなただけのノートなのです。

表紙を開いたところの色紙や製本に使われている糸、栞の糸は、表紙の絵柄に合わせて「すずめや」さんが選んでいるというこだわりよう。だから、ノート一冊がまるごと一栁さんのテキスタイルの世界観に溶け込み、プロダクトとしてとても美しく仕上がっています。手にする度、栞をページに挟む度に、きっと、そのモノとしての素晴らしさを感じるにちがいありません。

手に馴染むサイズ感と書き心地のよさを感じて
ノートのサイズは、小さく持ち運びにも便利な文庫本サイズ。手にも馴染む大きさです。いつもバッグの中に入れておくのもいいでしょうし、寛ぎのひと時を過ごすベッドサイドに置いておくのもいいでしょう。お料理な好きな方なら、キッチンにいつも置いておくというのもいいかもしれません。じゃまにならないサイズだから、いつも定位置にお気に入りのペンと一緒に出しておく、というのがいいかもしれません。本棚にしまっておく場合にも、文庫本と一緒に気持ちよく収まるのは、このサイズのいいところです。

手製本ノート<紙質:クリーム金マリ>(3,080円)
中身の紙は、罫線のない真っ白なもの。線がないからこそ自由に書き込んでほしいと一栁さん。どこに書いてもいい。どんな文字の大きさで書いてもいい。縦書きでも、横書きでも、斜めでも、螺旋状でも、あなたの書きたいように、おもむくままにどうぞ。絵を描きたくなったら、サササッと描くのもいいですね。その時の気分の手書きの記録は、未来の自分への贈り物になるかもしれません。

紙の種類は2種類。表紙の布の質感に合わせて、中の紙質変えているのだそう。しっかりとした布のものは、少しハリがありつるりとした触り心地の紙。文庫本に使われている淡クリームキンマリという種類で、書き心地もとても滑らかです。筆記具の種類を選ばず書きやすいですが、特にボールペンと鉛筆の書き心地が抜群。思いついた時に素早く書き記したい、という方にはおすすめです。 少しやわらかな薄手の布のものは、中の紙も手触り感がある薄い紙。便箋などで使われるサンレイドという種類ですが、これは万年筆派に人気だそう。お家時間でゆっくり書きたい、という方にはこちらがおすすめです。

手製本ノート<紙質:クリーム金マリ>(3,080円)
力を抜いて自分のために書くことを楽しんで
普通の手軽なノートよりもちょっと高価で布張りとなると、使うのを躊躇してしまったり、特別なテーマが決まらないと使い始めることができなかったりしますよね。わかります。でも、このノートは、あえて少し力を抜いて、書き始めてみてもいいかもしれません。
例えば、目についた印象的な言葉をメモしておく。お友達と話していた時に言われた嬉しいことをメモしておく。美味しかったお店や観た映画の感想を書き記しておく。美味しかったレシピを書いておく。

お子さんに残したいメッセージをお手紙感覚で書く。毎日食べたものの記録をする。なんでもいいと思います。今まで体験したことがなかったようなことが起こっている昨今だからこそ、今、何を考え、何を感じて、どう行動したのか、そういう些細なライフログが、数年後の自分を励ますこともあるのではないか、と思うのです。
長く使うことでどんどん味が出てくる
お気に入りのものは、できるだけ汚さないようにきれいに使いたくなるもの。でも、たくさん書いて何度もめくっていくにつれて、モノとしての魅力は増していくのだそう。

「製本をしてくれているすずめやの村松さんは、『ボロボロになってきた方が、モノとしての色気が出てくる』っておっしゃっています。確かに、古書って手触りが柔らかくなってきて、その佇まいがいいんです。このノートは、スクラップブックにするには向いていませんが、“書く楽しみ”は感じていただけると思います。私も、最初は勿体無くて使えないと思っていたのですが、今は書き心地の良さも堪能しながら大切に使っています。ぜひ、自分らしい方法で使ってみてほしいです」

このノートは、これから始まる100枚200ページのあなたの物語。今、まだ真っ白なページを目の前に、これからどんな展開が繰り広げられるのだろうと、ちょっとわくわくしてきませんか? 新たな1年のはじまり。SOUQ ZINEを見てくださっているみなさん、ノートを手にしてくださる全ての方の新たな物語が、よろこびに溢れ、心あたたまるものでありますように!
Creator/Brand

絵描き・デザイナー
Ayano Ichiyanagi(アヤノイチヤナギ)
「纏う絵画」をテーマに、水彩画作品から生まれたテキスタイルを使用したアイテムを展開しています。暮らしの中で楽しめるアートを。