『あなたの知らない文具の世界』vol.07 ノートデコの世界

それは、実に奥深く、魅惑の世界。
一度ハマったら抜け出せない沼の世界。
この連載では、文具を創り出す人と、
既に文具の沼にハマっている沼人(ヌマビト)たちにお話を伺います。
連載第7回となる今回は、ノートデコの世界をご紹介。
さまざまな文具を駆使して描くノートデコの世界は魅力がいっぱい。
まだ知らない文具の世界へと、あなたを誘います。
■第一章~作家対談~
第7回目のテーマは「ノートデコ」。対談にご協力いただいたのは、自身で描いたイラストをマスキングテープやペーパーなどの紙雑貨にしているブランド『Atelier PONTA』のぽんたさんと、手描きのイラストでオリジナルの消しゴムハンコを作成しているブランド『KESHIGOMUHANKO KiKiKoKo.』の秋葉さん。
お二人とも大の文具好きで、それぞれの作品を手帳デコのために楽しみにしているファンも多いそう。 文具の楽しさや、デコレーションの楽しさを語っていただきました。
SOUQZINE編集部(以下SOUQ)
本日はどうぞよろしくお願いします!お話をお伺いできるのが楽しみです!
KESHIGOMUHANKO KiKiKoKo. 秋葉さん(以下秋葉)
よろしくお願いします!
Atelier PONTA ぽんたさん(以下ぽんた)
よろしくお願いします!

- SOUQ
- まずは、おふたりのブランドの自己紹介をそれぞれお願いいたします。
- ぽんた
- 私のブランド『Atelier PONTA』は、宮城県を拠点に、イラストを紙雑貨にして販売している紙ものブランドです。イラストといえば、デジタルで描く人が多い時代ですが、手描きが好きですね。
それに、食べ物のイラストが好きで、いろいろな食べ物モチーフの作品を出しています。ただの食べ物モチーフというだけでなく、すこし遊び心を足したり、私らしいアレンジをしてオリジナリティを出すことにこだわっています。

- 秋葉
- 消しゴムハンコのブランド『KESHIGOMUHANKO KiKiKoKo.』も、ぽんたさんと同じように手描き・手彫りにこだわっています。小学生のころ、図工の時間が好きで、特に版画の授業が好きだったこともあり、きれいな線ではなく、版画の風合いを残した線で作っています。
特に、ご当地ハンコシリーズが人気をいただいていて、その土地その土地の良いものを調べて、個人的にキュンとくるものを私らしいイラストにしています。マニアックなものが多いですけど…(笑)

- SOUQ
- "手描き"という点で、早速共通点が見つかりましたね!
- 秋葉
- ハンコもすべて手彫りにしていて、やっぱり、名前を入れたり文字を入れたりできる自由度の高さは大切にしていきたいですね。それに、手彫りだと、同じ作品でもすこしずつ表情なども違っているので、それをお客さまが「どれを連れて帰ろうかな?」と楽しそうに選んでいる姿を見ると、手彫りの手法をギリギリまで頑張ろうって思います。
- ぽんた
- 手描きだとスキャンの手間などもありますが、やっぱり、細部まで自分らしさを表現できる部分は手描きの良いところですね。
- SOUQ
- お二人の独特のモチーフや世界観のインスピレーションはどこからくるのでしょうか?
- ぽんた
- 私は食べることが好きで、自分が食べているものを見て、「これ、イラストにできそう!」って思ったものにアレンジを加えて描いています。憧れの食べ物を想像で描いてみたり…。

- 以前、宇宙を舞台にカフェのイラストを描いたことがあって、店長を宇宙人にしてみたり、カプチーノに宇宙人を描いたりした部分を、お客さまが細部まで見てくださっていて、気づいてくれたことは嬉しかったですね。
- 秋葉
- ご当地ハンコを作るときは、まずはその地域のことを徹底的に下調べします。その中で惹かれるものがあればピックアップしてキャラクター化したり、方言を話してもらったり、表情を合わせたり、自分なりに楽しんでいます。

- 地域ごとにビビッとくるものが違うので、まさに”ご当地”のハンコだと思います。
- SOUQ
- こだわりの作品、ゆっくり見てみたいです。今回のテーマ、ノートデコについてお話していきたいと思います!
- 秋葉
- 実は…私、ノートデコに関してはかなり初心者なんです。ついこの前、店頭でお客さまから、『KESHIGOMUHANKO KiKiKoKo.』のスタンプでノートデコをしている、というお話をお伺いして。 それからかなり話し込んでしまって、「私もノートデコやってみたい!」と思ったことがきっかけでノートを買ったばかりです。
- SOUQ
- そうだったんですね。ただ、KESHIGOMUHANKO KiKiKoKo.さんのハンコを使ってノートデコをされている人は多い印象でした!
- 秋葉
- そうなんです。特に、ご当地ハンコシリーズは、旅の思い出として購入してくださる方も多く、旅行の日記や記録を残すページに使っていただくことがよくあって、とても嬉しいです!

- ぽんた
- やっぱりノートデコって、ただデコレーションするだけじゃなくて、その日にあった出来事とか、読んだ本とか、作ったご飯のレシピとかそういうものを楽しく残していくことが目的だったりするので、ご当地ものとかだとついつい買ってしまいますね。
- 秋葉
- ぽんたさんは、普段からノートデコをされていますか?
- ぽんた
- 2~3日に一回程度のペースですが、読書の記録や献立をノートデコで残しています。”記録”することが好きで、リフレッシュの時間として息抜きに楽しんでいます。
- SOUQ
- ぽんたさんにとってのノートデコの魅力ってなんでしょうか?
- ぽんた
- 作っている最中はもちろん楽しいし、あとから見返したときに、見開きのページがかわいく仕上がっているとやっぱり嬉しいですよね。それに、人間って、時間がたつと忘れてしまうものなので、ノートデコで残しておくことで、自分だけのアルバム替わりにできることも大きな魅力に感じています。

- 秋葉
- 旅の思い出の1ページに、私の作品が彩っているのだと思うと、とても嬉しいです。今のお話を聞いて、私自身もノートデコをやる気になってきました!…とは言っても、なかなかはじめよう、ってならないんですよね。
- ぽんた
- わかります、わかります(笑)私も、忙しくてノートデコの時間がなかなか取れないときとか、どんどん描きたいことがたまっていって、結局忘れてしまって描かなくなる…なんてこともよくあります。
そういうときにおすすめなのが、まずは小さいノートでも良いからやってみること!最低限のスペースでも良いので、まずは何かしらはじめてみてください。小さいノートがデコで埋まっていく様子は圧巻で、きっとどんどんハマっていきますよ(笑) - 秋葉
- 等身大のアドバイス、ありがとうございます!私のようなノートデコ初心者におすすめの手法はありますか?

- ぽんた
- やっぱり、”マスキングテープ”はとても使いやすいのでぜひ活用してほしいですね。「どんなデコをしよう?」って迷ったときは、ノートの上と下にマスキングテープを貼るだけで、一気にそのページの雰囲気というか、世界観ができあがります。
季節や、その日の天気などから選んで貼ってみると楽しいですよ。今ならお正月のモチーフとかが良いかもしれませんね。

- 秋葉
- やっぱり季節感があるとテンションが上がりますよね。
- ぽんた
- そうそう!自然とノートを開く回数が増えていっちゃう(笑)
- SOUQ
- 進行役のはずの編集部が完全に聞き役になるくらい盛り上がっていますね…(笑)
- 2人
- あ、すみません(笑)
- SOUQ
- 次回は、ぽんたさんと秋葉さんのノートデコの見せ合いなどができたら楽しそうですね…!今後、文具を通してやっていきたいことはありますか?
- ぽんた
- 私は、実際にお客さまから声をいただいていることもあるのですが、ワークショップができたらいいなと思っています。イラストの描き方でも良いですし、それこそノートデコやコラージュのやり方やコツも楽しそうですよね。
ワークショップだと、販売するだけでなく、お客さまと会話する機会も増えるし、どんどんコミュニケーションを取っていければいいなと思います。

- 秋葉
- 今『KESHIGOMUHANKO KiKiKoKo.』では、ハンコだけを作っているので、今後は、ハンコのイラストなどでグッズ展開ができたらいいなと思っています。特に、マスキングテープには憧れがあって、いつか作りたいと思っているアイテムです!
- ぽんた
- そのうち、私の数千あるマスキングテープコレクションに、『KESHIGOMUHANKO KiKiKoKo.』のアイテムが加わる日がやってきそうですね。

- 一同
- (笑)
- ぽんた
- 最後に一つだけ…!秋葉さんがお客さまにおすすめされたノートって、どんなノートだったんですか?
- 秋葉
- 「スタンプを押したい」という話をしたら、インクが裏移りしない『MDノート』をおすすめされたので、それを購入しました。インクも好きで、たくさん集めているので…。

- ぽんた
- なるほど!あれ良いですよね!
- SOUQ
- まだまだ話し足りないこともあるし、名残惜しいですが…。今回はいったんここまでにさせていただきます。お二人のノートデコは、まだまだこれから極まっていくのでしょう。今から楽しみです。読者のみなさまも、これを機に、ぜひノートデコの扉を開いてみてはいかがでしょうか…?
■第二章~文具の世界の住人ご紹介~
第二章では、既に文具の沼の奥深くへと沈み込んでいる沼の住人をご紹介します。
◯手彫りの消しゴムハンコがかわいいnyonさん
ご自身で消しゴムハンコを制作し、ノートデコも素敵なんです。

- SOUQ
- あなたにとって文具の魅力とは?
nyonさん(以下nyon)
私にとって文具とは、見て触って使っていて気持ちがワクワクするものです。使い方が無限にあり人によってさまざまなところも良いですよね。

同じものを使っていてもその人の個性が出てきたりするのがとても面白く感じます。インスタグラムなどでよく文具の投稿をみていて、同じ文具を使っていてもこんな使い方があるんだと発見することがよくあります。それを真似してみて新しい使い方にワクワクし、またそこから新しい発見があったりして さらに楽しくなります。
- SOUQ
- ワクワクという表現、なんだか良いですね。
- nyon
- 気持ちが昂ったり自然と笑顔になったり夢中になれることを、ワクワクと捉えています!それに、文具は私にとって無限な存在。
種類ももちろんですが、使い方も無限です。新しい発見をして、知らないことを知っていくことが、私にとってとても素敵なことです。文具はまだまだ知らないことばかりですし、新しい商品もたくさん出てきます。文具をとおして、ずっとワクワクしていたいです。

- SOUQ
- ワクワクする文具に、出会ってほしいです。文具沼にはまったきっかけはありますか?
- nyon
- 文具には、小学生のころからはまっていた記憶があります。昔から文字を書いたり絵を描くことが大好きだったので、色々なペンや消しゴムなどの文具を集めたりしていましたね。
- SOUQ
- 大人になってから文具との再開が…?
大人になって少し落ち着いたのですが、万年筆と出会って、また文具にはまってしまいました。「万年筆のイメージはご年配の方が使うもの」というイメージが漠然とあったのですが、インスタグラムで万年筆を使っている方の投稿をみてイメージが変わったのを覚えています。

- 色々な種類があり、見た目も黒だけではなくカラフルなものもいっぱいあって「こんなにおしゃれなものだったのか!」と驚いて、調べれば調べるほど楽しくなっていきました。
そこからイベントに行ってみたり店頭でみてみたりとするうちに、万年筆だけではなくボールペンやシールなどの文具を手に取るようになり気がついたらすっかり文具の沼にはまってしまいました。 - SOUQ
- 文具との素敵なエピソード、ありがとうございました!
■エンディング
今回は、『あなたの知らない文具の世界』vol.今回は、『あなたの知らない文具の世界』vol.07ということで、ノートデコの世界と、沼人のご紹介をいたしました。
文具は、まだまだ知らない魅力であふれています。
ぜひあなたが知っている文具の魅力について教えてください。
ぜひ、「#あなたの知らない文具の世界」をつけてインスタグラムで投稿したり、公式インスタグラム「@souq_bungu」をメンションしてくださいね。
SOUQ編集部があなたを見つけて、取材を依頼するなんてことがあるかも…?
そして!今回より新たに、SOUQZINE編集部の取材にご協力いただける「文具の沼人」を募集することとなりました。文具が好き!語りたい話がある!という方は、匿名でのご応募でもOKですのでぜひお気軽にご応募ください。
沼人からのご連絡、楽しみにお待ちしております!
▼応募フォーム
https://forms.gle/aQp69hLPQXGFMZuV7
次回は、「ラッピングペーパー」の世界をご紹介予定。
SOUQZINEはこれからも、あなたを文具の世界へとお連れいたします。次回もお楽しみに。
■SOUQZINEからのお知らせ
スークカンパニーがプロデュースするオリジナル文具ブランド「Buffet Style」、山形県在住の人気イラストレーター・消しゴムはんこ作家のmizutamaさんとコラボした「文具の博覧会×mizutamaコンプリートセットⅡ」を販売中! ぜひページをチェックしてください!