COCHAE(コチャエ) 第1回 岡山発の折り紙ユニット | SOUQ ZINE スークジン

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COCHAE(コチャエ) 第1回 岡山発の折り紙ユニット

COCHAE(コチャエ) 第1回 岡山発の折り紙ユニット
クリエイティブユニット「COCHAE(コチャエ)」のお二人にお話をうかがう連載第一回。
さまざまな分野で活躍するクリエイターたちを紹介するピックアップクリエイター。今回は、折り紙やこけしなど、古き良きものの魅力をあらためて今に伝えてくれるユニット「COCHAE(コチャエ)」の軸原ヨウスケさんを訪ねて、アトリエを構える岡山に足を運びました。ユニットを組むもう1人のクリエイター、武田美貴さんは京都の丹後に拠点があり、今回は特別に二元中継でお送りします。
SOUQ
JR岡山駅からアトリエまで歩いてきましたけど、途中に結構長くて味のある商店街がありました。
軸原
奉還商店街といって、昔からある商店街ですね。岡山って戦火で街のほとんどが焼けたんですけど、駅の西側にあたる奉還町の途中から空襲がなく、昔ながらの街並みが残っているんです。すぐそこにある公園にも、すごく古いラジオ塔がありますよ。
COCHAE
COCHAE
COCHAE軸原さんのアトリアから歩いてすぐのところにある上伊福西公園。写真下、時計の隣に建っているのがラジオ塔。
SOUQ
軸原さんは、岡山での活動は長いのですか?
軸原
2011年に東京から岡山に戻ってから、今年で9年目です。
SOUQ
「COCHAE」はまず、東京で活動をスタートしたんですよね? 始まりはどういうところからだったのでしょう?
軸原
15年以上も折り紙を続けるとは思っていなかったんですが(笑)…最初は、いまユニットを組んでいる武田と、折り紙が上手な友人、光森康郎くんと3人で2003年に知人がつくっていたフリーペーパーに作品を掲載したんですよ。藁半紙を使って輪転機で印刷してました。
COCHAE軸原さんと武田さんが2003年につくったフリーペーパー。
武田
折り紙と写真のコラージュを載せていましたね。
軸原
それを「bギャラリー」とかに置かせてもらってたそうで、いきなり雑誌『装苑』編集部から誌面で掲載したいという連絡があって。

ユニット名の由来も岡山から

武田
連絡があったのは、年の瀬の12月だったんですけど、“2004年のニューカマー”として紹介してくれるということでした。「作品は他にもありますよね?」と聞かれたので、「ない」というわけにもいかず(笑)、急いで何個かつくりました。その際にユニット名が必要だというので、急いで名前をつけて…。
SOUQ
「COCHAE」というのは、どういう由来なんでしょう?
武田
軸原くんも私も光森くんも岡山出身なんですが、私が小学生の頃合唱団に入っていて、岡山の伝承民謡である備前太鼓歌をよく歌っていたんです。
軸原
備前太鼓歌のことを、こちゃえ節とも呼んでいて。岡山の人だったら大体知っていますね。
武田
それで、語感もいいし、「COCHAE」にしようと。
軸原
その頃、岡山の古道具屋でこんな7インチレコードを見つけたんですけど、これがこちゃえ節のファンクバージョンで(笑)。ローカルネタてんこもり。アーティスト名はザ・ぼっこうず。“ぼっこう”というのは岡山弁で“すごい”の意味で、さらにこちゃえ愛が深まり…(笑)。
COCHAEザ・ぼっこうずの「コチャエ・コチャエ」。軸原さんは取材陣にも曲を聞かせてくれました。
SOUQ
聞いていると楽しくなってくる、なかなか絶妙な曲ですね。
軸原
そうでしょ。1982年につくられているので、バブル前夜の贅沢さですかね。
SOUQ
作品が『装苑』に掲載されると反響はありましたか?
軸原
そうですね。大阪のギャラリーから、個展をしてほしいという依頼がありました。
SOUQ
なにかトントン拍子に物事が進む感じですね。
軸原
そうなんですよ。だから当時はそこまで折り紙ばかりでやるつもりはなかったのですが、もうやめられなくなって。これが初期の作品。雑誌の切り抜きを使っています。
COCHAE初期につくられていた「COCHAE」の折り紙作品。
武田
最初は光森くんが折り方などはすべてやってくれていて、かなり緻密な折り紙でしたね。
SOUQ
折り紙ユニットとしては、光森さんの果たす役割は大きかったのですね。
武田
でも光森くんは、2年ぐらい経ったころ、ユニットをやめちゃったんですよ。

折り紙は、日本人に合ってます

SOUQ
光森さんが抜けると大変だったんじゃないですか?
軸原
そこからは、むつかしい折り方はやめて武田が折り方や折り図をほとんどやってくれています。
COCHAE
武田
いろんな本を読んで勉強して、折り紙は理系だなと思いながら続けてきて、10年目以降はこう折ればこうなるというのが大体わかってきました。やはり折り紙は日本人に合ったものだと実感します。
SOUQ
どのあたりが日本人的ですか?
武田
紙の端をきちっと合わせてきれいに折っていって、きっちり完成形をつくる。そのあたりは律儀な日本人向きかなと。1枚のぺらぺらの紙が、こんなにかわいいオブジェになり、愛おしいです。
SOUQ
本当にそうですね。「COCHAE」として、いろいろな折り紙をつくってこられたと思うのですが、なにか変化はありましたか?
武田
やっていくうちに、簡単に自分で折れるものがみんな好きだなということがわかりました。軸原くんがあまりにも折り紙ができないので(笑)、赤ちゃんでもできるような折り紙がほしいなあということでつくったのが「ファニーフェースカード」です。
COCHAE2008年にグッドデザイン賞を受賞した「ファニーフェースカード」。
SOUQ
グッドデザイン賞を受賞した作品ですね。
武田
いろいろ試しているうちに、同じ紙を自由に折っていくと、いろんな顔ができるぞということに気づきました。
SOUQ
そのほか、折り紙カードブックの「折りCA」なども出版されるなど、折り紙の再発見、再注目に貢献されました。いま、紙博などに行くと折り紙の作品も増えていると思うのですが、「COCHAE」さんが先鞭つけて、そこから広がっていってるような気もします。
COCHAE累計8万部を超える折り紙カードブック「折りCA」シリーズ。
軸原
そう言ってもらえるとうれしいですね。「COCHAE」をやり始めたときは、絵がデザインされた折り紙は誰もつくってなかったですね。

取材・文/蔵均 写真/桑島薫

軸原さんは日本映画学校で、武田さんは多摩美術大学で、共に映像を学んでいたという「COCHAE」。予期せぬところから始まった折り紙への道は、その後もますます発展していきます。次回は、復刻した「カワイイ・ヲリガミ」にスポットを当てていきます。

Creator/Brand

COCHAE(コチャエ)

デザインユニット

COCHAE(コチャエ)

“あそびのデザイン”をテーマに活動する軸原ヨウスケ、武田美貴による デザイン・ユニット。 2003年、「折紙をもっとポップに!」をキーワー ドにグラフィック折紙を制作。現在は新しい視点を持った玩具や雑貨の開発、出版企画、商品企画、展示など 幅広い活動を行っている。

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