五感MAX! 元気でおちゃめな植物の仕立屋 | SOUQ ZINE スークジン

五感MAX! 元気でおちゃめな植物の仕立屋

五感MAX! 元気でおちゃめな植物の仕立屋
写真左:クサントロエア(グラスツリー) 写真右:ディクソニア アンタルクティカ
8月28日(水)~9月3日(火)まで、阪急うめだ本店10階「うめだスーク」中央街区で行われるイベント「植物と暮らすーSOUQ GREEN SESSION―」。今回のプロジェクトストーリーは、グリーンショップの2代目として、生まれたときから植物に囲まれて育ったという「植木屋GREENPLAZA21」の名越正寿さんが登場! 植物の育て方には絶対の自信があるという今イベントのキーパーソンに話をうかがいました。

「これだけ植物がたくさんある中で、僕の楽しみは80%まで仕上げる事なんですよ。いわば植物の仕立屋さん」。

植木屋GREENPLAZA21「植木屋GREENPLAZA21」の店主・名越正寿さん。

京都府相楽郡にある「植木屋GREENPLAZA21」。店主の名越正寿さんは、植物を8割ぐらいまで育ててからお客さんに渡し、あとの2割はお客さんに育ててもらうことが喜びと言います。「植物と暮らすーSOUQ GREEN SESSION―」は、植物を育てる楽しみが詰まった一週間。これから育てるのに適した苗や道具が揃い、各ショップのスタッフにも相談できるイベントです。植物を育てることに絶対の自信を持つ名越さん、うまく仕立てるためにはどうしたらいいんでしょうか?

「五感で育てるんです。目で見て、耳で聞いて、触って、匂って、食べて。もう五感MAXです」。

植木屋GREENPLAZA21写真中央:ブーファン ディスティチャ

前は樹液を舐めて植物の元気具合を確かめていた名越さんですが、あるとき知人から「何でもかんでも舐めとったら危険やで」と言われてからは、植物を口にするのに慎重になったそう。

植木屋GREENPLAZA21写真左:アデニア グロボーサ 写真右:アデニア アクレアータ

「コツは食料だと思って植物を見てみるんですよ。食べてもお腹が痛くならないだろうなと思うやのが生きてる個体。どう考えても腹痛になりそうな個体は腐ってたり傷んでたりする。そのあたりは勘というよりも人間の本能が正しかったりするんですよ」。

植木屋GREENPLAZA21アデニア・グロボーサ。アデニアにもアクレアータなどいろいろな種類があるそう。

エンターテインメント系接客

取材を始めるやいなや、楽しいトークを連発してくれる名越さんですが、イベントに出店するときでも考えるのは、まずみんなをびっくりさせ、楽しませることだそうです。

植木屋GREENPLAZA21イベントで最近人気のコウモリラン(ビカクシダ)

「まずは最初に僕に興味を持って呼んでもらった担当の人を喜ばせて、びっくりさせることがまず第一の目標。例えば僕が行くことで何かしら一番になってもらいたい。そのためにはどうしたらいいか? 僕にできることじゃないと無理やから、植物のことをありったけしゃべる。そんなおしゃべりはおらんから。今日、日本の百貨店で一番お客さん笑ってるのはここやと。わっはっはとお客さんを笑わせる、楽しんでもらえる売場ナンバーワンでしょ。僕の接客はエンターテイメント系やから、楽しくないとだめ。しゃべったり、ジェスチャー付きで驚いてみたり。お客さんが、めっちゃ面白かったわとなったら、自然と『今日のおすすめいただくわ』となる(笑)」。

植木屋GREENPLAZA21

この飽くなきサービス精神とエンターティナーぶりがお客さんを喜ばせ、売り上げにもつながるのでしょうが、人気の源はそれだけではないようです。

「いつも冗談をいっぱい言ったりもするけど、いざお客さんと育てている植物の健康状態の話をするときは、そりゃもうしっかり診断します。植物の名前とか学術的なことはちょっとあやふやなところがありますけど(汗)、育てるにあたっては、植物の命に関わることなので真剣です」。

植木屋GREENPLAZA21ドイツのナーサリーとハイデルベルグ植物園を訪れた時の名越さんとプロフェッサーの皆さま。

これまでいろいろな人と接することでたくさんの知識が蓄積され、その経験が育てることに役立っているという名越さん。

「お客さんが植物を育てているシチュエーションとか生活環境とかを聞いて、たとえば『よく枯らすの』って言われたら『どんな植物ですか?』と聞く。『いや名前覚えてへんねん』ってなったら、『こんな葉っぱでした?』『小さかったですか?』とか聞くと、だいたい自分の中にある植物データの中から絞られていって、『これでしょ』と言うと、お客さんが『そうそう、それそれ』ってなる」。

植木屋GREENPLAZA21

育てる方が、暑がりなのか寒がりなのか? はたまた世話好きなのか忙しくてあまり水をやれない状況か?…その人の性格や生活スタイルも加味して判断することで植物をおすすめすると育つそうです。

植物は空気みたいなもの

「自分で育てた経験がありますから、目に見える状況だけじゃなく、なんでこうなるのかということまでわかってもらうために説明するから話も長くなるんですけど(笑)、『この植物は水はいらない』というだけで、なぜ水がいらないかまで説明できていない場合が多いんですよ」。

植木屋GREENPLAZA21アガベやティランジア

先代や名越さんたちが25年前にも携わり、最近また人気が出てきているというエアプランツ(ティランジア)。この植物にも説明不足ゆえの育て方の誤解があることをなんとかしたいと名越さんは言います。

「名前にエアってついてるし、水がいらないと思っている人が多いんですけど、直接水やりする必要はないけど、空気中の水分を吸うんですよ。日本は冬なんか特に空気が乾燥してるでしょ。そしたら空気中に水分がないので育たない。なので人が霧吹きで空気中に水分を補給する必要があるんです」。

植木屋GREENPLAZA21珍奇植物でスパゲティのようなホヤ スパルディオイデス・花の咲き方がまた珍奇だそう。

雑誌『BRUTUS』のビザールプランツ特集にも掲載された「植木屋GREENPLAZA21」。関西でも指折りの珍奇植物をそろえるショップですが、最近のブームについて名越さんはどう考えているのでしょう?

「珍奇植物って、実は25年から30年ぐらいのサイクルで人気が出るんですよ。だから25年前も同じビザールプランツが流行ってる。これは古いサボテンの本ですけど、今雑誌に載っているのと同じような植物が載ってますよ」。

植木屋GREENPLAZA21
植木屋GREENPLAZA21名越さんが見せてくれた『原色シャボテン多肉植物図鑑』。1965年刊行ですから、名越理論によれば2周前のブームの頃の書籍です。

最後に、名越さんに個人的に好きな植物は何かを聞いてみました。

「特別に好きなんはないんです。育てること自体が好き。生まれたときから植物がまわりにあるから、空気みたいなもんで。空気ってなかったら困るけど、好き嫌いってないでしょ」。

植木屋GREENPLAZA21棚の上段はパキポディウム、下段はアストロフィツム。

午後2時から始まった取材も、気がつくと空が少し薄暗くなってきて…。

「僕、しゃべり出したら4時間ぐらいかかりますよ」。

いやいや、盛ってるでしょうと高をくくっていた取材冒頭の名越さんの言葉が現実のものとなり…このパッションとしゃべりに翻弄されたい人は、ぜひ「植物と暮らすーSOUQ GREEN SESSION―」へ!

取材・文/蔵均 写真/桑島薫

植木屋GREENPLAZA21近鉄京都線・新祝園駅、JR学研都市線祝園駅から歩いてすぐの「植木屋GREENPLAZA21」。「僕がおらん時のほうがよく売れるんですよ。僕おったらしゃべる時間が大半で、お客さんが植物見る時間がないから」と名越さん。「月曜日って美容師さんのお客さんが多いんですけど、『あんたしゃべりすぎや。美容師さんはいつもお客さんの話聞く側で、おやすみの日までなんであんたの話聞かなあかんの。ゆっくり植物見させてあげて』って母が(笑)」

植木屋GREENPLAZA21
京都府相楽郡精華町祝園砂子田12-4
TEL:0774-93-0894
10:00~17:00
水曜休

『植物と暮らす』-SOUQ GREEN SESSION-
8月28日(水)~9月3日(火)(※最終日は午後5時終了)
阪急うめだ本店10階『うめだスーク』中央街区

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