あくなき探求心『オートクチュール刺繍「Lemmikko」の世界』 | SOUQ ZINE スークジン

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あくなき探求心『オートクチュール刺繍「Lemmikko」の世界』

あくなき探求心『オートクチュール刺繍「Lemmikko」の世界』
スークでのイベントやプロジェクトの裏側にフォーカスを当てた「プロジェクトストーリー」。今回は、あっと驚くようなさまざまな素材を使用し、刺繍の新たな可能性を追求し続け、多くのデザイナーたちから絶大な信頼を集めるアトリエ「Lemmikko」(レンミッコ)が、阪急うめだ本店『うめだスーク』南街区「セッセクリエーターズアトリエ」に登場。2019年6月26日(水)~7月2日(火)に開催される『オートクチュール刺繍「Lemmikko」の世界』をご紹介します。

今回のイベントでは、キットや道具、素材セットを中心にした販売が行われる他、6月26日(水)、27日(木)には、シックなナチュラルブレードの刺繍が入ったカゴバッグを作るワークショップも実施されます。イベント開催を前に「Lemmikko」主宰者の柴田士郎さん、小川明子さんに今回のイベントへの意気込み、アトリエのことなどを伺いました。

Lemmikko

ヨーロッパのオートクチュールメゾンの刺繍に衝撃を受け、渡仏。フランスの刺繍アトリエが主催する学校「エコール・ルサージュ」で学ぶ中で出会ったお二人は意気投合。帰国後の2004年に刺繍アトリエ「Lemmikko」を設立しました。 アトリエを作ろうと思ったきっかけは「仕方なくです(笑)」と答える小川さん。当時の日本にはアトリエを持つという概念自体があまりなかったのと、刺繍に特化したブランドもなかったことから、「だったら自分たちでやってみるかって。そんな単純な発想から始まりました」と話します。刺繍という存在が、単体で世間にまだそこまで認知されていないと感じたお二人。「アトリエを作って、まずは刺繍というものを広めようという、ただその思いだけでしたね」(柴田さん)。

Lemmikko

同時に、ただ広めるだけではなく、フランス留学時代に学んだ刺繍の技術をどうやって仕事につなげていくのかを毎日模索していたといいます。 「飛び込み営業もしました。ウエディング雑誌のショップリストに載っているお店や、 客注を受けているブティックなどに片っ端から電話したりしてました」(小川さん) 「当時は刺繍専門で、しかもアトリエというのがなくて前例となるものがなかった。参考となるものがなかったからとにかく手探りでやっていましたね」(柴田さん)

Lemmikko

ワークショップを始めたきっかけ

「そもそもワークショップを開くきっかけになったのは、最初にお仕事をくれたウエディングのデザイナーの先生からのお誘いでした。その方が当時代々木上原にあった一軒家でアトリエをやることになって、『1部屋余ってて、格安で貸すから来なさいよ』と呼んでくださって。そこで、ウエディングドレスを見に来た花嫁さんのお母さんが私たちの刺繍を見て『こういう刺繍をやってみたい』と言ってくれて」

Lemmikko
Lemmikkoこれまでお二人が手掛けてきた刺繍の数々。

そこで試験的に一般の人に向けた教室をスタート。やっていくうちにそういった機会を求めている人が意外とたくさんいることに気づき、週に1回ウエディングショップが休みの日に場所を借りて定期的にやるようになったといいます。

「刺繍をたくさんの人に広めるというのが自分たちの目標でもありますし、アトリエだけだと自分たちの技術は上がっていっても、たくさんの人に刺繍の楽しさを感じてもらうのは難しいですからね」(柴田さん)

これを機に、アトリエとともに生徒を募って刺繍の技術を教える教室を開催していくことに。教室では、最初は簡単なものから始めて、少しずつ難易度をあげていき、最終的に1人で刺繍できるまでに生徒さんは成長するそうです。

アトリエと教室の両方があるよさ

「アトリエでいろんな方からお仕事をいただく中で、初めて使う素材やテクニックが出てくると、それを教室にも生かすことができるんです。逆に教室だけやっていたら思いもつかなかった素材を使った刺繍をアトリエにオーダーしてくるデザイナーさんや企業さんがいて、そこで学んだことを教室に伝えていけるんです」(小川さん)

「ペットボトルの蓋を使ったり、アイスキャンディーの棒の部分に穴をあけてみたり、パチンコ玉を持ってきて『この宇宙観を表現してもらいたいんです』ってオーダーされたり。実際に教室でそれらを使用するのはなかなか難しかったりはしますけど、そういう発想で刺繍を行っている場所で学んでいるということが皆さんのモチベーションにもなっているようです」(柴田さん)

Lemmikko富ヶ谷にあるアトリエに併設されている教室。
Lemmikko教室の中にもLemmikkoの作品がズラリ
Lemmikko教室の隣にあるLemmikkoがセレクトしたアイテムを扱うショップ「colorbucket」。

教えるにあたって意識しているのは「出し惜しみをしないこと」だと話す小川さん。 「ココは教えたくない、みたいなのがやっぱり最初はあるんですよ。でもそうすると生徒さんにも伝わるんです。『先生たちはココを教えたくないんだな』って。そうすると生徒さんとの間に距離ができてしまう。質問されたら基本的に何でも答える。でも教える側として追いつかれないようにこちらも技術を磨くのを忘れない。そうするとお互い楽しいし、いい関係になるのかなって」。

Lemmikko

今回のイベントに込めた想い

今回のイベント期間中に開催されるワークショップは、これからの季節にぴったりなカゴバッグ。黒をベースにした甘すぎないフリルのブレード刺繍がアクセントになったオシャレなアイテムです。(※こちらのワークショップは現在お申込満員です。) 通常の教室とは異なり、1回のレッスンで1つの作品を作り上げます。1回にこだわったのは、これまで開いてきた教室での生徒さんの声も反映しているそう。

「教室で作るものは、技術ありきで考えられているカリキュラムなので、なかなか持ち歩けるアイテムに仕上げることがありません。でも、やっぱりみなさん、作ったものを持ちたい、持って歩いて人に見てもらいたいっていう思いがあるみたいで。なので、今回のような単発のワークショップでは、持ち歩けるようなアイテムを提案できるようにしています。」

Lemmikko今回のワークショップで制作するかごバッグ。

さらに、リクエストの多かったイベント限定でオートクチュール刺繍で使う道具や、必要な材料が入っていて気軽に挑戦できる、「colorbucket」でも人気のキットも販売されます。

Lemmikko
Lemmikko上)バッグのキット 24300円
下)かぎ針 9504円~11340円(ハサミは非売品です。)
イベントで販売される予定のキットと道具。

「アトリエと教室は東京にしかないので遠方から教室に通ってきてくださる方もいます。でもやはりなかなか通えないという方もいらっしゃる。今回のイベントではそんな方たちにもぜひ参加していただけたらうれしいです。刺繍が好きな方たち、『Lemmikko』のことを好きでいてくださる方が集まる場所に身を置いていると、私たちも『こういうことが求められているんだな』とか自分だけでは気づかなかった新しい発見もありますし、モチベーションも確実に上がります」とイベントへの意気込みを語ってくれた小川さん。

全国に多くのファンを抱える「Lemmikko」の世界観が思う存分楽しめる今回のイベント。行けばその自由な発想で作られる作品の数々に、刺繍の概念を覆され、たちまち虜になること間違いなしです。

『オートクチュール刺繍「Lemmikko」の世界』
2019年6月26日(水)~7月2日(火)
@阪急うめだ本店10階「うめだスーク」南街区「セッセクリエーターズアトリエ」

取材・文/林知子 写真/東泰秀

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