MALLE(マル) 第2回 刺繍で埋めつくしたい | SOUQ ZINE スークジン

MALLE(マル) 第2回 刺繍で埋めつくしたい

MALLE(マル) 第2回 刺繍で埋めつくしたい
3人の子どもを育てながら、限られた時間で制作をする「MALLE」の長谷川真理さん。今回は、彼女ならではの刺繍について話を聞いていきます。
SOUQ
アクセサリーをデザインするとき、デザイン画を描いたりしているんですか?
長谷川
いえ、まったく描かないですね。
SOUQ
じゃあつくっているうちに、最初の構想から変わっていくこともある?
長谷川
あります、あります。だから私のアクセサリーはまったく同じものというのはないです。全部違いますね。
MALLE
SOUQ
なるほど。ある程度形をこうしようとは決めているんですか?
長谷川
外枠だけ決めてます。丸とか楕円とか(笑)。
SOUQ
ベースの布をその形に切って、そこに刺し始めるんですか?
長谷川
そうですね。これがいま制作途中のものなんですが、刺繍枠にはめて刺していって、最後は切り出すというやりかた。これで3セットを縫っています。
MALLE
SOUQ
縫う糸も、太さや色などいろいろ種類があるのですか?
長谷川
色を選ぶのが好きで、糸は好きな色しか買ってこないかなあ。
SOUQ
でもすごく種類が多いですよね? ちょっと赤が多めで、基本は淡いやさしい感じの色が多い気がします。
長谷川
そうですか? 実は自分では「MALLE」のことはよくわからないんですよ(笑)。自由にやりすぎているので。

刺し埋めへのこだわり

SOUQ
「MALLE」とはこうあらなければならないというのは、あまりないんですかね?
長谷川
そうです。だからやっていけるんじゃないかなと思うんですけど。そんなプレッシャーが出てきたら、余裕はなくなるでしょうね。
SOUQ
自由に好きなものをつくるのはいいと思いますけどね。
MALLE
長谷川
お客さんのスタイルを見てると、ナチュラル系の人もいれば、きれい系の人もいれば、カジュアル系の人もいて。だからいいのかなと思ったり。あんなふうに使ってもいいんだと気付かされることもありますね。
SOUQ
いろんな人に受け入れてもらえる作品なんですね?
長谷川
そんな気がします。
SOUQ
作品をつくるとき、気をつけていることはありますか?
長谷川
自分がつくるものに対してお金をいただくって、すごくコンプレックスがあったんですよ。なんの基礎もなく独学でやった人がお金を取れるのかって。でもステッチだけは練習すればきれいにできるんじゃないか、色とステッチでは絶対人の心をつかめるようにしたいなあと思っていて。それで行き着いたのが刺し埋めかもしれないですね。
MALLE
SOUQ
刺し埋め?
長谷川
生地の部分が見えなくなるまで、刺繍で全部埋めつくしてしまうことです。だから手数は多いなと思うんです。アクセサリー1個について刺してる数は多い。
SOUQ
それだけ刺し埋めするとなると、一つの作品をつくるのにかなり時間がかかりそうですね。
長谷川
2時間やっても1セットできないというのが悩みですよね。「内職さんを雇ったらどう?」と言われたりもして、ちょっと前までいろいろ考えました。どうやったら「MALLE」で生計を立てられるのかなと思っていて。お客様からしたら、「2時間かけた? だから?」ということじゃないですか。
SOUQ
悩むところですよね。
MALLE

神様に会って腑に落ちた

長谷川
本当に悩んでいて。でも日本ヴォーグ社という手芸や手づくりの本をたくさん出している出版社のハンドメイドマーケットに呼んでもらったときに、そこでいろんなことがストンと腑に落ちたんですよ。
SOUQ
どういうことがあったんでしょうね。
MALLE
長谷川
マカベアリスさんとかironnahappaのシライカズミさんとか、刺繍界では神様みたいな方にお会いして。私、自立自立って言ってきて、それも大事だけど、続けていったときにわかるものがあるとわかったんですよ。
SOUQ
自立だけが目的じゃない?
長谷川
自分を表現することを大事にすればいいといまは思えて。一つ一つのめんどくさい過程も、大変だけど私は好きなので続けてその先になにかわかることがあればいいんじゃないかなと思えるようになりました。

取材・文/蔵均 写真/桑島薫

自分らしい作品づくりに目覚めた長谷川真理さん。次回第3回は、ものづくりの発想の源について話を聞いていきます。

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MALLE(マル)

手刺繍アクセサリークリエイター

MALLE(マル)

すべて手刺繍&手縫いで仕上げられているアクセサリーブランド。

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