mercredin.(メルクルディン)後編 タンナーと二人三脚での作品づくり | SOUQ ZINE スークジン

mercredin.(メルクルディン)後編 タンナーと二人三脚での作品づくり

mercredin.(メルクルディン)後編 タンナーと二人三脚での作品づくり
革本来の風合いを大切にしたバッグブランド『mercredin.(メルクルディン)』。今回は、そのデザイナーである村田彩実さんに、ブランドや革製品への思いやこだわりについてお話をおうかがいしました。

難しいから、もっとやりたくて。

革製品をつくることが趣味だった村田さん。もともとは、東京で会社員として働きながら、革製品の制作をしていたのだそう。

「学生のときから手縫いで作品をつくるのが好きだったんですけど、その中でも、革だけが全然思いどおりにいかなくて。難しくて、逆にやめられなくなっちゃったんです(笑)。それで、革職人のおじいちゃんがやっている教室に週末に通うようになって、本格的に革の制作をはじめました」

難しいから諦めるのではなく、あえてその道に進んでいくところに、村田さんらしさを感じました。

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東京で革カバンづくりを学んだあと、地元・兵庫に帰ってきて、ブランド『mercredin.(メルクルディン)」を立ち上げたと言います。村田さんの親友と二人で毎週水曜日に集まって、アクセサリー制作などの創作活動をするユニットからブランドは始まりました。

『mercredin.』は、フランス語で“水曜日”を表す“mercredi”に親友のお名前の“n”をプラスした造語なのだと教えてくれました。そこから、二人でイベントに出かけたり、催し物に出店したりして、だんだんと仕事になっていったそう。

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「最初は仕事にするつもりはあまりなかったんです。今でもあまり感覚がない、というのが正直なところです。だからこそ、ビジネスで作品をつくっていくというよりは、好きなことをしている、という気持ちを貫いていきたいですね」

タンナーと二人三脚でここまでやってきた

そんな村田さんが苦戦したのが、革の仕入れ先でした。たつのレザーで有名な兵庫県たつの市には、たくさんのタンナーがあります。村田さんは、その一件一件を訪問し、話を聞いて回ったそうです。しかし、ロットの問題で厳しかったり、こだわりの強い村田さんの思うような革をつくってくれるタンナーさんはなかなか見つからなかったと振り返ります。

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そして、当時一緒にイベントに出店していたクリエイターさんの繋がりで、いまの『龍野化成株式会社』を紹介してもらいました。専務の川口さんとはじめて話をしたときに、この人と一緒にやりたい、と思ったと言います。

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「川口さんは、できあがった革を送ってくるだけの普通のタンナーさんと違って、どんな作品をつくろうとしているのか?この作品をつくりたいならこの革じゃないか?といったように、仕上がりのイメージまで聞いて革を提案してくれるんです。私のブランドは、革一枚で勝負するような作品が多いので、ここまでこだわって一緒に考えてくれるのはとてもありがたいです」

村田さんの口ぶりから、龍野化成さんへの感謝の気持ちが伝わってきます。革の裏側の毛羽立ちをおさえるための加工や、仕上がりの厚み、柔らかさや風合いまで二人で納得いくまで革づくりを行っていると言います。

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「毎回トラブルだらけの革づくりなんですけど、ようやくできあがった革に、もっと柔らかくしてほしいとか、表面をマットにしてほしいとか、どんどん注文をつけちゃうんです、私(笑)」そう言いながら、ちらりと川口さんの方を見ると、川口さんは大きくうなずきます。

「本当にこの子はこだわりが強くて。でも、だからこそその気持ちになんとしてでも応えてあげたいって思うんだよ。めんどくさいなあって思いながらね(笑)」

川口さんの発言に苦笑しながらも、「でも、結局は全部叶えてくれるじゃないですか!」と、村田さん。お二人の絆の深さを感じさせてくれるワンシーンでした。

共感する人へ、届けたい

そんな村田さんですが、今回のSOUQ ZINEの取材が、はじめてのメディア出演だそう。今までずっと断ってきた取材に、どうして今回応じてくれたのでしょうか。

「コロナウイルスの影響で、イベントなどが軒並み中止になってしまって、直接手に取ってもらうことができなくなってしまい、オンラインでの販売が中心となってしまいました。ひとつひとつ個性のある革製品なので、私自身がメディアに出て、作品の特徴や思いを語ることが、買ってくださる人にとっての安心材料になるのではないかと思うようになったんです」

こういったところまで、お客さんへの思いが潜んでいたことに、正直驚きました。

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「SOUQ ZINEなどを通して、今まで届かなかった人に私の作品が伝わって、好きだと言ってくれる人がいてくれたら嬉しいです。みんながみんな好き、という王道のものをつくっているわけではないので、共感してもらえたり、使ってみたいと思ってくださる人に届けばいいなと。

せっかく好きなことをしているのだから、どれだけ時間がかかったとしても、とことんこだわって、いいものをつくり続けていきたいなと思っています」

取材・文/藤田真奈 写真/桑島薫

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革本来の風合いを大切にした、シンプルで無駄のないデザインの革小物・かばんを制作しています。革の持つ美しさと繊細さ手仕事の温かさを手に触れて感じて下さい。

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