meteo(メテオ)第2回 アレルギーの人にも楽しんでほしくて

さまざまな分野で活躍する作家さんを紹介する「ピックアップクリエイター」・今回は、アクセサリー界に彗星のごとく現れた「meteo」のデザイナー、Harukaさんが登場。その個性的な作品についてお話を聞いていきます。
- SOUQ
- バングルやピアスなど、「meteo」さんのアクセサリーのデザインはなかなか独特で、どうやってつくってらっしゃるのか想像がつかないんですけど…。
- Haruka
- 企業秘密です(笑)
- SOUQ
- 了解です(笑)。デザインは、いろいろ試行錯誤することで編み出したものなんですか?
- Haruka
- そうですね。「meteo」の表現として、これが一番かなと。

- SOUQ
- 「meteo」とはイタリア語で“流星”という意味だそうですが、作品で星や月のモチーフのものもありますよね? 宇宙的なものに何か想い入れがあるのでしょうか?
- Haruka
- はい。クーレターの…うん?クレーター?
- SOUQ
- クーレターだと革命みたいになっちゃいますね(笑)
- Haruka
- (笑)。そう、クレーターの不完全な感じが好きで。真珠もバロックパールの不完全な感じが好きですし、自分が不完全な人間なので、そういうのを好んでつくってます。
- SOUQ
- 言われてみると、今Harukaさんが身につけてらっしゃるバングルの表面がクレーターに見えてきますね。

- Haruka
- そうですか? それで、響きがきれいな「meteo」って名付けました。
金属アレルギーになって
- SOUQ
- 今、Harukaさんが耳に着けてらっしゃるのはピアスですか?
- Haruka
- これはイヤーカフです。私、金属アレルギーなんですよ。
- SOUQ
- 女性って金属アレルギーの方が結構いるんですかね?
- Haruka
- 多いですね。イヤリングでアレルギーが出やすい方も多い。なのでイヤーカフにしたんですよ。


- SOUQ
- Harukaさんは、この仕事を始めてから金属アレルギーになったんですか?
- Haruka
- そうですね。それまではたまに夏に症状が出ることはあったんですけど、今は冬もあります。
- SOUQ
- 毎日金属に触れていますものね。
- Haruka
- 夏は特にひどいです。作業してると結構金属の粉が飛ぶんですけど、汗をかくとめっちゃ痛くなる。自分が金属アレルギーになったことをきっかけに、「meteo」でも漆塗りの作品を始めたんです。
- SOUQ
- 漆?
- Haruka
- はい。バングルを着けたいけど金属アレルギーで着けられないという人にも着けてほしい、みんなにアクセサリーを楽しんでほしいという想いから漆塗りを始めました。

- SOUQ
- 漆を塗り始めたのはいつぐらいですか?
- Haruka
- 2018年の7月から漆を習い始めて、まだ1年経ってないです。
- SOUQ
- 漆塗って、職人さんが何年も修業してやっと一人前になるというイメージがありますが、さすがHarukaさん、何もかもが素早いですね。
新作でも漆塗りを続けたい
- Haruka
- 最初はわけがわからなくて、全然楽しくないと思ってたんですけど、やることで自分のものになってきたら楽しくなってくるし、慣れですね。それに私十人に一人という手の持ち主で…。
- SOUQ
- どういうことでしょう?
- Haruka
- 漆を素手で触ってもかぶれないんですよ。
- SOUQ
- そういう人がいるんですね。
- Haruka
- はい。素手でがんがん触ってたら爪の中が汚くなって、これはあかんとゴム手袋するようになったんですけど、漆にはかぶれないんですよ。
- SOUQ
- 今つくっている作品はだいたい漆塗りしてるんですか?
- Haruka
- いえ、そうでもないですよ。ピアス、イアリングとかには塗ってないです。

- SOUQ
- 作家デビューから2年ぐらい経って、これまでいろいろな作品を出されてますけど、次はこういうものをつくっていきたいというものはありますか?
- Haruka
- やはり漆は続けていきたいです。新しい試みとして、漆と木屑で形をつくって、漆を塗り重ねたものをつくっているんですが、それと金属のリングを組み合わせても面白いかなと思っています。
取材・文/蔵均 写真/桑島薫
多くの人が金属アレルギーに悩まされずにアクセサリーを身につけて欲しいというHarukaさん。次回第3回は、その人となりについても聞いていきます。