mononogu(もののぐ) 第4回 新作のイメージ

東京オリンピックの開催が迫る。そんな時代の気分を反映した新作も?! 今回はバッグと共に定番の財布や、現在構想中の新作についてお話をうかがいます。
- SOUQ
- 「mononogu」はバッグの他に財布もありますよね。
- 阪本
- はい。財布も立ち上げ当初からつくっています。いまは20型くらいあると思います。
- SOUQ
- なかでもL字ファスナーは人気の定番。
- 阪本
- このタイプは長財布とミニ財布があるんですが。ワンアクションで全体が見える財布にしたいと考えて。ファスナーを開けば、小銭もお札もカードも見通せるつくりになっています。小銭入れの部分にはファスナーが付いてない。けれど、外のファスナーを閉じれば小銭がこぼれることはありません。

- SOUQ
- 素材は牛革ですか?
- 阪本
- バリエーションがいくつかあって。レザータイプだと牛革とヤギ革があります。おなじヤギ革でも、マットなものと光沢のあるものなど、加工の異なるものもあって。
- SOUQ
- 勾玉型の金具もオリジナルですか?
- 阪本
- はい。これも初期につくりました。最近の傾向としては、長財布よりミニ財布を求められることが多くて。小さいもの、コンパクトなものの需要が増えています。数年前まではお札を折って入れるのを嫌がる方が多かったんですけど。

スマホ時代の装飾品
- SOUQ
- そうした時代の動向から生まれる新作もあるのですか?
- 阪本
- ウォレットバッグはその一つですね。小さなバッグと財布が一体になったもので、2年前につくりました。今後、ますます携帯電話であらゆることができる時代になりますよね。数年前まで、財布ならカードが何枚入るか訊かれることが多かったんですが、最近は減りました。長財布やカード用ポケットの需要が減り、今後は財布を持たなくなることだってありうる。
- SOUQ
- バッグも小型化する傾向がありますか?
- 阪本
- そうですね。もちろん、ビジネスバッグならA4ファイルが入るものを求められますが、ファッションバッグは小さいものが求められる傾向にあると思います。

- SOUQ
- スマホケースなども考えられていますか?
- 阪本
- じつは、スマホカバーはすでにつくっているんです。
- SOUQ
- バッグや財布同様、佇まいが上品ですね。
- 阪本
- こちらはヤギ革仕様。全機種対応型のカバーで、黒い部分にシールでスマホ本体を貼り付けて使う。市販のシリコンケースなどを装着した上で貼れば、本体にシール跡が残る心配もありません。スライド式で、写真を撮りたいときは本体を上へ押し出せばカメラが使える。これは1年半くらい前につくった新作です。

- SOUQ
- もうひとつの新作であるリュックは、イタリアの生地を使われているそうですね。
- 阪本
- プラダやグッチにも使われている、リモンタ社のナイロン生地を採用しました。これまでレザーのリュックはあったんですが、ナイロン素材は初めてです。裏地はポリウレタンを張って、ふかふか感のある仕上がりに。底はヤギ革。「mononogu」の頭文字Mをかたどった金具も、もちろんオリジナルです。
- SOUQ
- とても贅沢なリュックですね。日本の素材にもこだわってきた「mononogu」が、イタリアの生地を取り入れたのはなぜですか?
- 阪本
- 製品にしたときの出来映えが素晴らしかったんです。立ち上げ当初から日本製にこだわったのは、国内に良質の素材がたくさんあるから。つまり、品質に目を向けた結果なんです。ですから、今後も“日本製以上”のものがあれば海外のものであっても取り入れていきたいと思っています。


- SOUQ
- なるほど、質の問題なのですね。
- 阪本
- 品質本位。利幅を取るために素材を落とす考えは一切ありません。
2020年はスポーツコンシャス!?
- SOUQ
- 「mononogu」は定番アイテムの他、シーズンものもあるんですよね?
- 阪本
- バッグにしても財布にしても、求め続けられるアイテムは廃盤にすることなく、つくり続けています。たとえばニットを使ったバッグなどは秋冬限定。季節感の強いものはシーズンアイテムにしています。
- SOUQ
- シーズンごとのテーマは設けず、ブランドコンセプトを軸にゆるやかに商品が移り変わる?
- 阪本
- そうですね。

- SOUQ
- 今後、展開を考えている新しいプロダクトはありますか?
- 阪本
- これからは小物を充実させていきたいなと。スマホ用のケースやバッグもそうですが、コンパクトな財布の定番もつくりたい。長財布はバリエーションがあるんですが、ミニ財布は少なくて。あとは、オリンピックが近いので、スポーツテイストを意識したアイテムを。
- SOUQ
- 楽しい展開ですね。
- 阪本
- 軽やかなもの、スポーティーなものを気分的につくりたいと思っています。ナイロン素材のアイテムであったり、ライン入りのテープをあしらったものだったり。2020年の春夏ものとして展開できたら。
- SOUQ
- 気分転換に行かれるジムでも使えそうですね。
- 阪本
- いや、自分でつくったバッグはあまり持たないですからね(笑)。
取材・文/村田恵里佳 写真/桑島薫
Creator/Brand

バッグブランド
mononogu(もののぐ)
古くから文化として根付いてきた、美しい所作や佇まいにフォーカスして、「身に着けるもの」のバッグやスモールレザーグッズを独自の解釈で提案しているブランド。