中原慎一郎 第4回 景色をつくるのが僕らの仕事 | SOUQ ZINE スークジン

中原慎一郎 第4回 景色をつくるのが僕らの仕事

中原慎一郎 第4回 景色をつくるのが僕らの仕事
インテリアからアート、食まで、幅広い分野で活躍するランドスケーププロダクツの中原慎一郎さん。インタビュー最終回は、どういうふうに仕事をつくっているかについて話を聞きました。
SOUQ
中原さんは、本当に幅広い仕事をたくさん依頼されてますよね。それはどうしてなんですかね?
中原
人から「こういうことをやってほしい」と言われたときに、なんで俺に言ってるんだろうなとまず考えます。明確な理由があればやるし、僕が選んでというよりも向こうが選んでくれて始まっている場合も多いです。もっと楽しくしよう、もっと膨らませてあげられるように仕事をしているので、そういうところをおもしろがってもらってると思うんですけどね。
SOUQ
そう考えてくれてたらうれしいですもんね。
中原慎一郎
中原
うちの会社の名前がランドスケーププロダクツなんで、「景色をつくる」というのが自分たちのテーマなんですよ。景色をつくるって一般的にいうとヘンな言葉なんですけど。こないだ読んだ本には「景色を見るって行為は、人間が決めた行為だから、別に山をつくったわけじゃなく、それは出来事だ」みたいなことが書かれてたんですね。
SOUQ
神がつくった自然とはまた違うと。
中原
それを読んだときに、ものをつくって空間が変わることも景色を変えたことになるし、イベントをやることでその日に集まった人だけが感じたことも景色だし、ウイスキーづくりのようなプロジェクトに入って会社の環境の景色をつくってあげるのも僕らの仕事だし、細かいものから大規模なものまで、景色をつくることが仕事の全体になってるんですよね。
中原慎一郎
SOUQ
なるほど。
中原
空想するというか想像するというか。これがこうなったらおもしろいんじゃないか。このお店一つオープンするとこの街が変わるかもしれないし、ふだん缶コーヒーばっかり買ってるやつがうちのコーヒーショップに来るようになって気分が変わるとか、そういうこともすごく重要だなと。一連して景色をどうやってつくるかというのがテーマですね。

楽しくやらないと続かない

SOUQ
景色をつくるときに、たとえばこの街にこれがあればいいなというのは、感覚的にすぐわかるものですか?
中原
その街に行くと、必ずキーマンになる人はいるじゃないですか。そういう人を中心に組み立てていけばおもしろい。常に新しい人に目を向けて、いっしょにやることも重要だし。同世代だけで固まり続けるのは嫌いなんでね。
中原慎一郎
SOUQ
中原さん、若いクリエイターとの仕事も多いですよね。景色をつくるときに大切にしていることはありますか?
中原
楽しくやろうということですよね。楽しくやらないと続かないタイプなんで。お客さんにも、どう楽しくなるかというのが想像できてワクワクさせるように、自分が動いてあげる、声かけてあげる、素材を見つけてあげたり、環境を変えてあげるというのは常に考えてますね。
中原慎一郎

鹿児島でやってきたことをA to Z

SOUQ
さて、春に鹿児島で個展をされると聞きました。
中原
「霧島アートの森」という現代美術のいい美術館があって、「鹿児島をテーマになにかやってほしい」と言われたので、鹿児島でいろいろプロデュースしてきたことを見せながら、なぜ自分がそういう視点を持ったかということがわかる展覧会をA to Zで展開します。
SOUQ
AからZまで展開できるぐらい、本当にいろいろなことをされている中原さんだからこそできる展覧会ですね。
中原慎一郎
中原
年代順に展示することも考えたんですけど、それじゃ死んだ人みたいでしょ(笑)。自分でやったことだからAからZまでどこかで全部つながっているのがいい。会社の流れでもあるから、どっから切って観てもらってもいいかなって。展覧会なのでモノも展示したいし、写真や映像、インスタレーションも見せたいし。
SOUQ
もう作品づくりのような感覚ですかね?
中原
というよりは、自分を再編集をしている感じですかね。自分の仕事をいままで客観的に見たことなかったから。構築し直してみるのはおもしろいかなあと。プレッシャーがないんで楽しんでやってますよ。締め切りだけがプレッシャー(笑)。
中原慎一郎
SOUQ
巡回はしないんですか?
中原
いまのところ、しない予定ですね。
SOUQ
じゃあ鹿児島でなければ観られないわけですね。
中原
東京や大阪で観られないのもいいかなと思ってますけどね。ゴールデンウィーク前から始まって2カ月ぐらいやってます。山の上で気持ちいいところですし、気候もいい頃なので、鹿児島まで観にきてほしいですね。

取材・文/蔵均 写真/桑島薫

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