左京泰明 第1回 人とのつながりがすべて | SOUQ ZINE スークジン

左京泰明 第1回 人とのつながりがすべて

左京泰明 第1回 人とのつながりがすべて
「シブヤ大学」は、渋谷の街を大学のキャンパスに見立てて、ヒト・モノ・コトを再発掘して編集していくNPO(特定非営利活動法人)。同法人が2006年に発足して以来、左京泰明さんは学長としてさまざまな活動に取り組んできました。今回のスークインタビューでは、これまでの13年間の出来事を振り返りつつ、未来にも目を向けてみました。
SOUQ
左京さんはもともとも商社に勤めていらっしゃったんですよね。なぜNPO法人を設立しようと思ったのでしょうか?
左京
就活活動をしているときから社会貢献ができる仕事に興味があったんです。でも、その選択肢が具体的に何かわからず、ビジネスを学ぶために商社を選びました。2003年とか2004年頃、海外ではNPOが脚光を浴びていて、行政の取り組みともボランティアとも違う手法にとてもワクワクしながら見ていました。
左京泰明
SOUQ
いつかは自身もそんな活動がしたいと?
左京
はい。それで少しずつ自分の想いが強くなっていって、思い切って会社を退職することにしました。その後、日本でもNPO法人の活動が行われていないかと探している最中に出会ったのが、ゴミ拾いのNPO法人「グリーンバード」でした。大学の先輩経由で代表の長谷部健さん(現・渋谷区長)を紹介してもらい、「NPO法人を設立しようと思っている」という話もして。
SOUQ
すごい行動力!
左京泰明
左京
でも、そのときは何をするかも決まっていなかったんです。正直に話したら「具体的に決まるまで手伝ってみるか?」と言ってくださって。退職後すぐにグリーンバードに参加することになりました。ただ、その頃のグリーンバードは立ち上げ間もなかったので規模も小さくて、長谷部さんが代表で、僕が副代表。事務局のメンバーも一人か二人。そんな状況でした。当時はやることもなくて、表参道の掃除が終わったら代々木公園でキャッチボールをしたりしてましたね(笑)。

シブヤ大学構想の前に立ちはだかった壁

SOUQ
その後、どのような流れでシブヤ大学設立に?
左京泰明
左京
当時、長谷部さんはグリーンバードの代表のほかに渋谷区議会議員としても活動していて、渋谷区の新しい生涯学習の在り方として提案していたのが「シブヤ大学」だったんです。
SOUQ
最初は渋谷区の事業としてスタートしたんですね。
左京
はい。長らく地域コミュニティを支えていた町会や自治会の自主防災活動も、本来は助けられる側の高齢者が中心になっていて。そのなかで若い人たちがどうやって参画していくかがとても根深い課題でした。それを生涯学習というアプローチをとおして改善できないかと考えていたんです。当時の渋谷区長もGOサインを出してくれて、いざ動き出すことになりました。ところが、具体的に突き詰めていくと収益性を含めてさまざまな課題が浮き彫りになってきて、ちょっと実現するのは難しいんじゃないかと。
SOUQ
それで左京さんに白羽の矢が立ったのはどうしてだったんですか?
左京泰明
左京
僕はもともとNPO法人を設立したかったし、シブヤ大学の構想もすごく魅力的で自分が前のめりになっていることに気づいたんです。それである日の打ち合わせが終わった後、プロジェクトメンバーに「僕を代表にしてください。もっとこういうことがやりたい」とメールを打ちました。すると意外にも多くの賛同をいただけて、とんとん拍子で代表を務めることに。法人登記などで半年ほど準備して、2006年9月から事業としてスタートすることになりました。でも、立ち上げた当初は本当に何もありませんでした。よく「もともと人脈があったんですか?」と聞かれるのですが、そういうつながりもなくて。商社のいち経理部員だった僕は、会社から出たこともなく、名刺交換もしたことがない人間でしたから。

人とのつながりのなかでシブヤ大学は形成された

SOUQ
どうやって活動を広げていったのでしょうか?
左京
長谷部さんのつながりで手伝ってくださる方が多かったですね。NPOを設立するためには10名の社員が必要になるのですが、クリエイティブディレクターの箭内道彦さんやアートディレクターの寄藤文平さんが名を連ねてくださって。
左京泰明
SOUQ
錚々たる面子ですね。
左京
長谷部さんから「この人に会いに行ってみろ」と言われるので、とりあえず会いに行く。そうすると、また別の人を紹介されて、どんどん輪が広がっていったというか。そのうちに僕のぼんやりとした想いを具体的な形にしていただけるようになりました。「Webサイトがないといけないよね」とか「キックオフ時はイベントがあったほうがいいよね」って。いわばどんどん構想が形になっていたという感じです。

取材・文/村上広大(EditReal) 写真/東泰秀

【次回予告】
さまざまな出会いによって誕生したシブヤ大学。第2回では、シブヤ大学が13年間も継続できた理由についてお聞きします。

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