更科有哉 第4回 よりよく生きるための飽くなき探求はまだまだ続く | SOUQ ZINE スークジン

更科有哉 第4回 よりよく生きるための飽くなき探求はまだまだ続く

更科有哉 第4回 よりよく生きるための飽くなき探求はまだまだ続く
アシュタンガヨガの実践者であり、指導者としても活躍する更科有哉さんにお話をお聞きしている今回のスークインタビュー。最終回は、ヨガと出会って変化した部分と手に入れたものについて。そこから、更科さんがなぜヨガを実践しているのかという大きな答えとヨガの本質が浮かび上がってきました。
更科有哉
SOUQ
先程ポージングしているのを拝見して、その身体のバランス感覚に驚いてしまったのですが、アーサナー(ヨガの教えの中でポージングの型を習得する修行のこと)の練習をしている時には、どんなところに意識を向けているのでしょうか?
更科
基本的には、自分の呼吸に一番意識が向いています。あとは、とにかく集中している状態ですね。アシュタンガヨガは、一つひとつの動きに見るべきところが決まっていて、眉間や鼻、伸ばした手など、その決まった1点を見つめて集中するんです。ただ、それをやるんですよ。まさに「JUST DO IT!」です(笑)
SOUQ
なるほど。呼吸なんですね!ちなみに、普段の呼吸についてはいかがですか?
更科有哉
更科
無意識に呼吸をしている人に比べると、意識的に呼吸をしているかもしれません。呼吸って、必ず誰しもがしていることですよね。一生のうちにする呼吸の数も、だいたい決まっていると言われています。だったら、なるべく質のいい呼吸をした方が身体にも思考にもいいんじゃないかと思うんですよ
SOUQ
質のいい呼吸というと、例えばどんな呼吸なんですかね。
更科有哉
更科
呼吸法みたいなこともあるでしょうけど、わかりやすいところで言えば、「いい空気を吸う」っていう意識って大事だなって思います。車通りの激しいところよりは、緑がたくさんあるようなところの方が深呼吸をしたくなりますよね。その違いって、シンプルに「気持ちがいい」ってことだと思うんです。森の中に住んで、いつもいい空気が吸えたらいいですけど、僕の場合はまだ東京でしたい修行があるので、せめて緑がたくさんある場所の近くに住んでいます。今日も、気持ちのいい緑の中を歩いてきました。
SOUQ
確かに緑の中だと、自然と思い切り深呼吸したくなりますもんね。
更科有哉
更科
はい、美味しいと思うものを食べるのと、美味しくないと思っているものを食べるのでは、心身への影響ってちがうと思っているんです。空気も一緒かなと。
SOUQ
なるほど!前回の食の話にも通じますが、「なんとなく」ではなく、「意識する」っていうことの大切さですよね

ヨガで手に入れたもうひとつの視点

更科有哉
更科
ヨガに出会ったことによって身についたと実感していることのひとつが、「客観性」です。例えば、こうしてインタビューを受けている自分と、それを俯瞰して見ている自分がいるような感覚というか。
SOUQ
客観的に見ているということは、いつも冷静っていうことですよね?
更科
常に冷めてるのかも(笑)。例えば、何かイライラするような出来事が起こったら、感情的になってしまいそうな自分をもう一人の自分が客観的に見るんです。呼吸を意識的にゆっくりして。そうすると、自然と気分が落ち着いてきますよ。
更科有哉
SOUQ
もう一人の自分がコントロールしているっていう感じですね。
更科
そうそう。なにか嫌なことが起こっても、ものすごく広いところから見てみると、「大したことじゃないかも」って思えます。
SOUQ
自分に振り回されない、っていうことですかね……?
更科有哉
更科
はい、そういう客観性は、ヨガをやればやるほどに身についていると思います。
SOUQ
前回の「自分を観察する」っていうお話も客観視しているっていうことですね。
更科
そうですね、客観視することによって、自分にとっていいものってわかってくると思います。

より心地よく生きるための術を広めたい

更科有哉
SOUQ
今年一杯は、ご自身のアーサナーの練習に力を入れていきたいということでしたが、もう少し先の未来まで考えたときに、やってみたいことはありますか?
更科
そうですね……、インドにも一緒に行っているような僕の同僚たちが、近年少しずつ自分のスタジオを持つようになっているんです。そういうヨガを伝えるための場所を持つことは、いつか自分もやってみたいと思うことのひとつですね。
SOUQ
おぉ!それは待ち望んでいる方も多いのでは!
更科有哉
更科
でも、やっぱり旅が好きなので、できるだけ身軽でいたいっていう矛盾した気持ちもあるんですよね。自分のスタジオを持ったら、いつもそこにいてみんなを迎えるべきだと思いますし。
SOUQ
確かに、それは難しいところですね!
更科
森の中に練習ができる場所を作れたらいいなぁとか、水平線がすごく好きなので、高台にあって海が見える場所もいいなぁとか、理想を考えるといくらでも想像が膨らんでしまうのですが、実際、ヨガが必要なのは都会に住んでいる人だと思っているんです。自然の近くで暮らしている人は、ヨガが必要ないくらい浄化されているでしょうし、いろいろなバランスも取れているでしょうから。そう思うと、都会でこのヨガを広めていくことの重要性も感じてしまうんです。
SOUQ
確かに都会に住む人には意識的に、そういう時間を持つことって、大切かもしれませんよね。定期的にチューニングするような意識というか。
更科有哉
更科
ヨガは、「よりよく生きるための術」だと僕は考えています。アーサナーの練習で課題に取り組む中でも、どうしたらいいかっていう指針みたいなものが見えてくるので、それをひとつ一つ掴んでいく感じですね。僕が実感として思うのは、ちゃんと取り組めばいい方向にしか進まないっていうこと。僕はYOGAからたくさんの恩恵を受け、知恵や知識を得ています。身体やマインドが柔軟に強くなり、仕事では旅するように色々なところに行くことができ、たくさんの素敵な方達と会うことができます。時にはテレビやメディアなどにも出演させていただき、素晴らしい経験をさせていただいてます。だから僕の場合は、難しく考えずYOGAに感謝し、このアシュタンガヨガの練習を「ただやる」という感じなんです。
SOUQ
更科さんの「ただ、やる」という純度の高さと真っ直ぐな生き方が、ヨギーに限らず多くの人を惹きつけるのでしょうね。ありがとうございました!

取材・文/内海織加 写真/東泰秀 衣装協力/alo yoga

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