SHOJIFUJITA(ショウジフジタ)第1回 経年変化する革だからこそ 実現した「時が作るデザイン」 | SOUQ ZINE スークジン

SHOJIFUJITA(ショウジフジタ)第1回 経年変化する革だからこそ 実現した「時が作るデザイン」

SHOJIFUJITA(ショウジフジタ)第1回 経年変化する革だからこそ 実現した「時が作るデザイン」
ものづくりの世界で活躍するクリエイターをご紹介する「ピックアップクリエイター」。今回、お話をお聞きするのは、革という天然の素材を生かしたハンドメイドのバッグブランド「SHOJIFUJITA」の代表・藤田勝治さん。「時が作るデザイン」というコンセプトのもとシンプルで美しく、使い込むほどに変化してゆく味わい深いプロダクトを生み出す藤田さんの創作の原点と、そこに込められた思いとは…?
SOUQ
「SHOJIFUJITA」のアイテムは革本来の魅力を味わえるシンプルなものですが、どこか研ぎ澄まされたアートな佇まいを感じさせます。
藤田
実は遡ると、もともとは服飾の専門学校に通ってて。当時はマルタン・マルジェラとかコムデ・ギャルソンといったデザイナーものが全盛の時代で、僕自身も大きな影響を受けたので、そういったモードの要素は原点にあると思います。
SHOJIFUJITA(ショウジフジタ)「SHOJIFUJITA」の代表・藤田勝治さん。
SOUQ
そうなんですね。そこから革の世界へはどんな経緯で…?
藤田
専門学校を出て、最初はある洋服ブランドにデザイナーとして就職したんですが、業界的にはちょうどファストファッションの波がやってきた時期で、洋服におもしろみを感じられなくなってきて。会社を辞めて、次のステップを探していた時に授業で革の洋服を作ったことを思い出して、知識もまったくない状態で革のメーカーさんに飛び込んだんです。
SOUQ
すごい行動力ですね。
藤田
そこにはデザイナーとして入ったんですが、販売から革を縫ってバッグをつくる職人の仕事まで、今に通じるすべてをやらせてもらって。バッグ作りっておもしろいなあと夢中になりましたね。
SHOJIFUJITA(ショウジフジタ)
SOUQ
まさに運命の出会いですね。
藤田
そこで僕が師匠と呼ぶ職人さんと出会ったのは大きいですね。ずっと革の世界でやってきた70歳ぐらいの方なんですけど、その方には革の知識や技術的なことだけでなく、ものづくりに対する姿勢とか、いろんなことを教わりました。
SOUQ
その師匠にずっと付いて行こうとは思わなかった? 
藤田
もともと独立心はあったし、その方にも最初から3年ぐらい勉強したら独立しなさいって言われていたので。当初は革のプロダクトを扱うセレクトショップで働いて、いろんなノウハウを学びながら自宅で細々とやっていたんですが、このアトリエを借りたタイミングで「SHOJIFUJITA」の仕事に専念するようになりました。
SHOJIFUJITA(ショウジフジタ)

使った人の時間がそこに刻まれる

SOUQ
「SHOJIFUJITA」が掲げる「時が作るデザイン」というコンセプトには、どのような意味が込められているのでしょう?
藤田
革という素材は、使い込むことで経年変化が楽しめる。時間によって「変わっていく素材」なんです。そんな他の素材にはない革のおもしろさを、お客さまに伝えられたらなと思って。
SOUQ
確かに、革のバッグや財布は使い込むと、新品の時とはまた違う味わいが出てきますよね。
藤田
そうなんです。たとえば、このカードケースは2年ぐらい使い込んだものです。
SHOJIFUJITA(ショウジフジタ)
SOUQ
新品と見比べると全然ちがう。艶がすごいですね!
藤田
そうなんです。布だと使い込んでもここまでは変化しないし、鉄とか木のエイジングとも違う。使う人によって同じ年数でも艶の増し方とか傷の風合いとかが全然違ってくるのもおもしろいですね。カードケースだと普段バッグに入れてるか、ポケットに入れてるかでも違うし。
SOUQ
まさに使う人の時間が刻まれる素材なんですね。
SHOJIFUJITA(ショウジフジタ)
藤田
新品も完成された美しい状態なので、それも大切に楽しんでいただきたいんですが、新品が最高であとは劣化してゆくだけというものではない。使い込んだ先に、また別の新しい魅力が生まれてくると考えてもらえると嬉しいですね。

道具とアクセサリーの中間であるバッグのアンニュイさ

SOUQ
こうして話をうかがっていると、革っておもしろいなと改めて魅了されます。
藤田
革という素材も魅力的ですし、あとはバッグというアイテムも独特の魅力がありますよね。バッグって誰もが大抵は持ち歩いているもので、それでいて洋服や靴のように主役になるものとも違う。ひとつの個体としてなんとも言えないアンニュイな立ち位置がおもしろい。
SHOJIFUJITA(ショウジフジタ)
SOUQ
確かに、道具とアクセサリーの中間みたいなところはありますね。
藤田
そうなんです。あまりデザインしすぎるとアクセサリーになっちゃうし。僕はいつもバッグについて思うとき、太古の昔のことを考えるんです。もともとバッグって水を運ぶ道具だったらしくて、いくら作品とかいっても本来の用途は人間のD.N.A.に無意識に組み込まれてると思うんですよ。
SOUQ
なるほど…。
SHOJIFUJITA(ショウジフジタ)
藤田
なので、バッグ本来の用途を見失わないように。あまりコテコテしたデザインにしすぎず、持つ人を引き立てるものであって欲しいと思いながら作ってます。

取材・文/井口啓子 写真/東泰秀

革という素材と真摯に向き合い、商品となって人の手に渡った後も、そこに刻まれてゆく時間に思いを馳せながら、バッグ作りに精魂を注ぐ藤田さん。次回は、そんな彼が考える理想のデザインについて、お話をうかがいます。

『 SHOJIFUJITA カスタムオーダー展 4 』
2020年 3月4日(水)~10日(火)
※最終日は午後5時終了
阪急うめだ本店 10階 うめだスーク中央街区 11番小屋
新作のハンドバッグ『DANCER 2』でSHOJIFUJITA初のフォーマルハンドバッグが登場予定です。
うめだスークでのイベントもお楽しみに。

Creator/Brand

SHOJIFUJITA(ショウジフジタ)

革作家

SHOJIFUJITA(ショウジフジタ)

時を経て現れる経年変化がプロダクトひとつひとつの個性であり、それが唯一無二のデザインに。
素材が持つ神秘的な力を見極め、その表情を引き出すように容(カタチ)を作り上げる、シンプルでありながらも美しい革小物・鞄を制作しています。

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