内田ミシン(uchidamishin) 第2回 下着とドロワーズ | SOUQ ZINE スークジン

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内田ミシン(uchidamishin) 第2回 下着とドロワーズ

内田ミシン(uchidamishin) 第2回 下着とドロワーズ
「文化屋雑貨店」で20年間勤め、1年半前に「内田ミシン」をスタートさせたデザイナーの内田美貴子さん。「文化屋雑貨店」の名残もある千葉のアトリエで、お話をうかがいました。
SOUQ
「内田ミシン」として、いまメインでつくっているアイテムはなんですか?
内田
いまはドロワーズが多いですね。1カ月に100本ぐらいつくっています。
SOUQ
100本! それはすごい。ドロワーズというと、どういうものですかね?
内田
もともとは、ヨーロッパの人が着る下着で、まだ日本人が着物しか着てなかった時代に日本に入ってきて、見せてはいけないものという感じだったんですが、ヨーロッパの人たちは、一応下着ではあるのですがスカートから10cmくらい覗かせて穿いていたんですよ。
SOUQ
「内田ミシン」でも見せるものとしてつくっているわけですね。
内田
最初は下着でやってたんです。もっとかぼちゃパンツみたいなのといっしょに。最初は丈も短くてスカートの中に穿くものとしてつくってたんですけど、お客さんの意見聞いたりしていると、もうちょっと長く、もうちょっと厚く、もうちょっと外でも穿けるように…で、最終的に見せたい!とういうことになってきて(笑)。最近はポケットもつけて、外で穿いてもらえるようになったんです。
内田ミシン
SOUQ
下着からのかわいい進化ですね。
内田
最近ちょくちょく街でも見かけるようになったんですけど、だれが見ても「あっ、内田ミシン」ってわかりますから。渋谷と下北沢と下町に多いらしいです。
SOUQ
なんとなくわかるようなわからないような(笑)。
内田
下町はいま、田原町に卸先があるから。「フーコ」っていうセレクトショップがあって。4.5坪の小さいお店なんですけど、そこでたくさん紹介してくださってるんです。元大阪の「文化屋雑貨店」スタッフが鹿児島で始めた「デシリットル」ってお店やSOUQ ZINEにも登場しています。
SOUQ
じゃあいまはドロワーズの制作で忙しいですね。
内田
そうなんです。こんなに忙しくなるはずじゃなく、うれしい悲鳴ですね。
SOUQ
確かに、裾を絞る独特のスタイルはあまり見ないので、街で見かけたら、「内田ミシン」だってわかりそうですね。
内田ミシン右がデニムのドロワーズ
内田
最初は着るのに抵抗があるみたいなんですが、あえて第1印象があまりよくないほうがクセになっちゃうみたいで。ちょっとかわいすぎて穿けないと言われても、それはそれで。
SOUQ
最初はかわいすぎると思っちゃうんですかね?
内田
素材にもよると思うんですけど、麻とか白い生地でつくると、ナチュラルだったり。生地によってイメージが変わりますね。でも1回穿いちゃうと、穿きやすいし動きやすいので、リピーターがすごい多いですよ。
SOUQ
ドロワーズをつくりはじめたきっかけはあったんですか?
内田
「文化屋雑貨店」が閉まったあと、神田にあるギャラリー「TETOKA」で開催されたイベント「文化屋雑貨点」で、ブルマーとか下着をつくって売ったのが「内田ミシン」の原点かもしれませんね。
SOUQ
ドロワーズの原点でもある。
内田
それで、周りの人がこの人できるんだと認識して、じゃあ、あれやれこれやれって言うのを聞いていたら、こういうふうになりましたね。「こんな生地あるんだけど、帽子つくれる?」とか。喜んでもらったら、すぐ調子に乗るんで、もっと喜んでもらおうと思って。
内田ミシン「内田ミシン」の帽子のコレクション
SOUQ
ドロワーズと帽子以外では、どのようなアイテムがあるんですか?
内田
あとはカバンとかポーチとかですかね。あとブルマーも今もなおやってるんですけど。うめだスークだと、新しくできた「スーク文具店」で動物転写のポーチを置いてもらっています。
SOUQ
このアトリエは素敵ですね。
内田
ありがとうございます。ここは元々瓦屋さんだったんですよ。
内田ミシン
SOUQ
へえ。いい感じの建物ですね。
内田
文化屋雑貨店が閉店するときに、ミシンとか転写機などどうする? じゃあ欲しい人にあげちゃおうということになって。もっといろいろいっぱいあったんですけど、ここにいろいろ機械をもってきたんですよ。
SOUQ
たくさん揃ってますもんね。
内田
これで全部じゃなくて、ほんの一部なんですけど。そしたら、意外に使っちゃったみたいな。ここにある機械も全然使う予定もなかったのですが、工業用ミシンと、あとプレス機、電鋸などがあるんですけど、全部音が大きくてマンションだと使えないんですよ。地響きとかするし。だからなんか普通の家では使えなくて。でもやっぱり工業用ミシンじゃないと縫えないものがあったりとかするんで。
内田ミシン
SOUQ
ここは少々大きい音を出しても大丈夫そう。
内田
はい。革とか紙とか縫うこともあるので、そういうのって家庭用で縫えなかったりするんですよ。だからこういう専門のものじゃないと、つくれるものが限られちゃいますね。
SOUQ
機械たち、貫禄ありますもんね。
内田
あと、いま動物柄ののポーチをつくってるんですけど、転写機があると生地にプリントして、生地からつくることができる。オリジナルの生地をつくることができるのは他とは違う強みですね。こういう道具ありきのものづくりですね。
SOUQ
なるほど。こういうものをつくりたいというよりは、どちらかというと道具でつくれるものを考えながらですね。
内田ミシン
内田
ミシン自体はだれでも持ってるし、だれでもできるものだから。やっぱり工業用ミシンがあるだけで、すごく分厚いものも縫えるとか。すごい広がるんですよ。ちょっとちょっとのことなんですけど。でもそれで人と差をつけることができる。どちらかというとあえて洋服屋さんとか帽子屋さんが使わない生地を選んで使いたいほうなので(笑)。
SOUQ
それはどういう生地なんですか?
内田
今手にしているのは、ミリタリーのテント。あとブランケットとか。寝袋カバーとかがあって、これでスカートやパンツ、帽子をつくったり。リメイクというわけでもなくて。もともとワークウエアとかミリタリーは大好きで、軍もの屋さんとかにあるものって、女の人が着るとすごい大きかったり、袖がめちゃくちゃ長かったりするんですよ。
内田ミシン
SOUQ
基本、男社会ですからね。
内田
だから、スカートとかかわいいパンツはなかったりするんですよ。個人的にそういうのが欲しいなと前から思っていて。で、自分でつくって穿いてると、「なにそれ、欲しい!」って知らない人からも声をかけられることがあって。褒められたら調子に乗っちゃうんですよ(笑)。

取材・文/蔵均 写真/東泰秀

ドロワーズという、ならではのアイテムを生み出した「内田ミシン」。次回・第3回は、千葉のアトリエを飛び出して、日暮里の生地問屋へと繰り出します。

Creator/Brand

内田ミシン(UCHIDAMISHIN)

ちくちく毎日

内田ミシン(UCHIDAMISHIN)

内田美貴子により、ドロワーズ、バルーンパンツ、帽子などを作っているファッションブランドです。

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