Y*RT2(ワイアールティーツー)第4回 古き良きものを生まれ変わらせて | SOUQ ZINE スークジン

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Y*RT2(ワイアールティーツー)第4回 古き良きものを生まれ変わらせて

Y*RT2(ワイアールティーツー)第4回 古き良きものを生まれ変わらせて
「Y*RT2」のデザイナーかなやゆみさんに登場いただく「ピックアップクリエイター」の最終回は、かなやさんがコレクションしている古着やボタンから、いいものを長く使う大切さについて教えてもらいました。まずは、最近つくり始めた手刺繍のつけ襟について聞いていきます。
SOUQ
手刺繍のつけ襟はお客様からの要望でつくり始めたということなんですが、柄をデザインするときにどういうところに気をつけてらっしゃるのですか?
かなや
実はつけ襟はクロスステッチではなくて、リメイクなんです。刺繍は全然別のところから取っていて。これはスイスの古着なんですけど、状態が悪くなってしまって服としてはちょっと使えないけど、刺繍の部分はとても素敵というものを探してきて、その部分を裁断して襟に仕立てていきます。
Y*RT2古着から刺繍の部分だけを使い仕立てる「Y*RT2」の手刺繍のつけ襟
SOUQ
そうだったんですね。確かにクロスステッチではないですもんね。しかし、こんなに素敵な刺繍ってそんなにあるもんなんですか?
かなや
なかなか手に入らないので、いろいろ探しています。
SOUQ
それは古着屋さんなどで探されるのですか?
かなや
そうですね。

かき分けてかき分けて古着を探す

SOUQ
海外のものが多いんですか?
かなや
はい。これはスイスですけど、ハンガリーとか。あと中国やインドもあります。世界各国の刺繍が全然違うので、いろんな刺繍があって、そういうのが集めるのがすごく好きで。
Y*RT2
SOUQ
古着の刺繍を生かしてつけ襟にするというのは、世界初じゃないんですか?
かなや
世界初かどうかはわからないですけど(笑)、あまりないと思いますね。
SOUQ
よく思いつかれましたね。
かなや
そうですね。新しいものを買うのではなくて、昔からあって使えなくなったものを再利用するというのはいいんじゃないかなと思って。すごくきれいなので捨ててしまいたくないし、かといって飾っているだけでは物足りないので、実際に使えるものに生まれ変わらせたら面白いかなと思いました。
Y*RT2スイス製の古着に施された手刺繍。
SOUQ
それはいいですね。刺繍ものが充実している古着屋さんがあったりするのですか?
かなや
いや、特にないんですよ。だからいろんなお店を回って探してます。ヴィンテージばかり扱っているお店はお値段もそれなりにするのでたくさん仕入れられないので、地元のおばちゃんがやっているような古い洋品店とかで、かき分けてかき分けて探して(笑)。
SOUQ
なるほど。そういうことだったんですね。つけ襟をつくり始めたのは最近ですか?
Y*RT2ハンガリーのカロチャ地方でつくられているカロチャ刺繍。「ハンガリーが産地として有名なパプリカ(唐辛子)の絵が入っているんですよ」とかなやさん。
かなや
そうですね。今まで古着を集めて貯めこんでいたのを一気に放出しようと思って。ずっと集めること、コレクションが好きなんですよ。刺繍の糸でも今は売ってない廃番になった糸とか、そういうのもたくさん集めたり。でも年を重ねていくうちに物欲というのがなくなっていって(笑)、自分で楽しむだけよりも、欲しいと思ってくれる人のところにいってくれたほうがいいかなと思うようになってきたんですね。それでどんどん放出しようと思って。
SOUQ
ボタンのコレクションも多いですね。でもかなやさんの作品だとほとんどボタンは使ってないですよね?
かなや
そうなんですよ。ボタンはほとんど使ってないんですよ。
Y*RT2
SOUQ
どうやって放出しましょう?(笑)
かなや
最近は1個だけとか2個だけ欲しいという方が増えて、ちょっと小分けにして売ってみたらどうかなと思ってやってみたら、すごく好評で。「どう使われるんですか?」と聞くと、アクセサリーにするとか、ワンちゃんの洋服に付けたいとか。
SOUQ
なるほど。

ハギレをボタンを送る袋に

かなや
最近ちょっと考えついたのがこれ。中身がボタンで、それを刺繍糸でくるんでいるんです。お手製の糸ボタンをつくるようになったら、ボタンの再利用ができるかなと思って。
Y*RT2
SOUQ
これはどうやって糸を絡めてるんですか?
かなや
ボタンって穴が空いてますよね、四つ穴とか二つ穴とか。その穴を利用して糸を通してぐるぐると巻きつけて、ボタンを隠してるんです。これは小さいボタン一つなんですけど、こちらは小さいボタンと大きいボタンを重ねてて。
Y*RT2ボタンに糸を巻きつけてつくったアクセサリー。
SOUQ
ボタンはどこで買われるんですか?
かなや
最初は手芸屋さんのおばあちゃんが高齢になってできないからというので店を畳まれるときに引き取ったんですね。それが始まり。それはすごく昔の話で、もらったことも忘れてたぐらい(笑)。それで3年前にこのアトリエを構えることになり手芸関係のものを全部持ってきたときに、ボタンが入ったダンボールが見つかって…
SOUQ
相当寝かしてましたね(笑)。
かなや
そうなんですよ(笑)。10年以上寝かしてましたね。「あ、そういえば!」と思い出して箱から出したら、かわいいボタンがいっぱいあった。でも実際私は洋服をつくるわけじゃないから、そんなにたくさん使わないんですね。このままいくとずっと眠ったまま捨てられちゃうかもしれないと思って、放出しようと思いました。
Y*RT2
SOUQ
“かなやコレクション”は、古着やボタン以外に何かありますか?
かなや
昔からテキスタイルの仕事をしていたので、ハギレとか布とか。
SOUQ
それは放出してないんですか?
かなや
今ボタンをネットで販売しているのですが、送るのに梱包をするとき傷がついてはいけないので、プチプチにくるんで紙袋に入れて送ってたんですけど、なんか味気ないじゃないですか。何かいい方法はないかなと考えて、最近はハギレで袋をつくって、それに入れて送ってます
SOUQ
これは届いたらうれしいですね。
Y*RT2ネットショップで購入してもらったボタンは、かなやさんお手製の布の袋で送ります。
かなや
そうですね。「まさか袋に入っているとは思っていませんでした」といつも言われるんですけど。きちっと仕上げない感じで送るので、お客様がこれに手を加えて何かをつくってくれたらいいかなと思って。
SOUQ
それはいいですね。巾着にするとか?
かなや
この生地を捨てるにはもったいないけど、持ってても使わないしなあという感じで。新しく何かを買うことはあまりないんですけど、長く持ってるものを利用してできたらいいかなと思ってますね。

取材・文/蔵均 写真/桑島薫

Creator/Brand

Y*RT2(ワイアールティーツー)

手芸作家

Y*RT2(ワイアールティーツー)

クロスステッチ刺繍や、ヴィンテージテキスタイルを使って服飾雑貨を主に制作。
どことなく懐かしくて、おんなのコらしく、手づくりならではのあたたかみのあるものづくりをめざしています。

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