“味のある”生地を使った「cavane」の服 | SOUQ ZINE スークジン

“味のある”生地を使った「cavane」の服

“味のある”生地を使った「cavane」の服
※cavaneの正式表記は、アクセント記号付きのn。

今月から新たにスタートした「SOUQ IT!」では、ものづくりにまつわるストーリーやつくり手の想いにふれながら、魅力あるアイテムを紹介していきます。「あぁ!こんなの欲しかった!」と思える出会いがありますように。第1回目は、大阪の靱公園のすぐそばにショップを構える「cavane」の洋服たち。店に一歩入った途端に感じられる上質な世界観はどこから生まれるのでしょうか? オーナーの羽野嘉浩さんに話を聞きながら、探ってみました。

「cavane」は、オリジナルブランドに併せてヨーロッパや国内から羽野さんがセレクトしたアイテムを扱うショップ。そこに並ぶ服や小物は、一貫して上質な雰囲気を漂わせています。

cavane大阪市西区の靱公園北側にある「cavane」のショップ。

「ヨーロッパのデザインは好きですね。ヴィンテージのアイテムなどは、ものづくりの歴史があり、古さの中に新しさも感じさせますしね。イタリアやベルギーのレース、ベルギーのリネン、フランス、イタリア、オランダの革などの素材にも愛着がありますね」。

cavane「cavane」のオーナーでありディレクターの羽野嘉浩さん。

オーナーの羽野さんは、自身の店を立ち上げる前は南船場にあったセレクトショップに勤務。そのときにバイヤーと共にフランスなどによく訪れていたそう。

cavane

「前の店を辞めて、1階のお店がオープンしたのが2004年の8月3日。ちょうど淀川花火大会の日だったので、よく覚えています(笑)。オリジナルブランド『cavane』と、知り合いのブランド『アスキカタスキ』がパリで立ち上げていたので、当初は2つのブランドでスタートしたんです」。

素材へのこだわりが上質さに

手仕事の温かみを大切にしたいとオールハンドメイドで始まった「cavane」。最初はまずインクジェットで生地をつくり、裁断してスーツやドレスをつくったそう。

「2007年にウエディングを立ち上げて、年に1回新作を発表、ファッションは春夏、秋冬の年2回なので結構フル回転です」と羽野さん。私たちの世界観を出したくてブランドを始めたというだけあって、生地選びからこだわり、手づくりで一着一着ていねいに仕立てます。

cavane9月中旬に2019-20年の新作が発表されるウエディング・コレクション。

「cavane」のON LINE SHOPを見ると、ジャケットの素材に「Belgian Linen Stonewashed 100%」と表示するなど、同じ麻でも細かく素材を知らせてくれています。このような素材へのこだわりが上質さへとつながっているような気がします。

「ベルギーリネン、フレンチリネンとか、生地は味のあるものが好きなんですよ。シワ感とか、着ていくと、10年後、20年後にいい風合いになるだろうなというもの。お客様には、いいものを長く着ていてほしいんでしょうね。50年前、100年前のヨーロッパの生地って、やせてきたり褪せてきたりしても、趣があるものは多いですよね」。

cavaneヴィンテージリネンが使われた、フランスのホテルのベッドシーツでつくられたANSNAMシャツ。ホテルの紋章やシーツのミミもそのまま生かされています。

「生地選びは難しい」と言う羽野さんですが、よりよいものを求めて新しい生地を探したりもするのでしょうか?

「流行には疎いかもしれないですね。最先端の生地を使ってつくることはあまりありませんし。トラディショナルで文化のある生地が好きなのかもしれません。リネンなどは、織りもつくりも100年、200年変わらないでしょ? そこにはトラディショナルな魅力がありますね」。

cavane

リネン、コットン、ウール、シルク、革などの天然素材が好きで、昔から変わらず使い続けていると言う羽野さん。ヨーロッパの生地に加えて、最近では国内産も質がいいので使うそうです。

「日本の生地は今世界で注目されているんですよ。グレードが高くて価値がありますね。『cavane』でも、最近は浜松や一宮産の生地を使っています」。

うめだスークに初出店

cavane

『cavane』は今、オリジナルのアイテムが4割、セレクトが6割ぐらいのラインアップだそうです。

「視野が狭くなるのがイヤだなと思って、国内外のブランドをいろいろと常に探しています。ただ洋服がいいからという仕入れ方はせずに、人がいるからこそモノがあると思っているので。デザイナーさんと話してコミュニケーションとって、ああ、こういう想いでつくってるんだというのがわかってから仕入れるようにしています」。

cavane

最近では、その上品さや醸し出すヨーロピアンな雰囲気からか、Instagramを見て、フランスなどヨーロッパからの引き合いも多いという「cavane」。大阪から世界進出も考えているのでしょうか?

「機会があれば、世界へちょっとずつ出ていきたいとは思っています。向こうでポップアップストアとか展示会とかをやって、『cavane』の世界を表現できればいいなあと」。

cavane

9月4日(水)ー10日(火)、うめだスークで「cavane」のポップアップストアが開かれます。どのようなイベントになるのでしょうか?

「ワンピースやブラウスをたくさん出展したいですね。まだ9月なんで、ウールコートやウールニットなどの冬物は少ないですけど、リネンをメインに、ウールリネンやシルクコットンのアイテムを出します」。

cavaneうめだスークでのポップアップストアへ向けて、制作中のワンピースやブラウスたち。まだ洗いもかけてない状態で、ここからどう仕上がるかが楽しみです。

今回の出展では、起毛リネン、天日干しリネン100%、シルクコットン、ウールリネン、ビーバーウールと生地は5種類ぐらいに絞っているそうです。

cavane羽野さんが手に持つのが起毛リネン。「少し厚めの起毛をしている秋冬用のリネンで、昔のスモークシャツみたいでしょ? これらが数年後、着るたびに生地が少し痩せてきて、いい雰囲気になると思うんですけどね」と羽野さん。

リネン一つをとっても、ベルギーリネンやヴィンテージリネンなど、さまざまな質感の生地があることを教えてくれる「cavane」の服。「上質な生地を何十年も着て、味のある古着になっていったらいいんじゃないですかね」という羽野さんの言葉に、服を着る楽しみを再確認しました。

取材・文/蔵均 写真/桑島薫

cavane
大阪市西区京町堀1-14-25
TEL:06-6449-8588
11:00ー20:00
水曜&第3木曜休み

※cavaneの正式表記は、アクセント記号付きのn。

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