【HABUTA’S SHOPPING MANUAL 1 TO 100】No.014 | SOUQ ZINE スークジン

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【HABUTA’S SHOPPING MANUAL 1 TO 100】No.014

【HABUTA’S SHOPPING MANUAL 1 TO 100】No.014

No.014  ハタノ ワタルさんの和紙の小箱

今回は紙の箱の話。

わたしが初めてハタノ ワタルさんの紙の小箱を目にしたのは、
4年前の松本クラフトフェアでのこと。

出張で訪れていた「松本クラフトフェア」。
主催者の一人を訪ね、同行していた大阪のバイヤーを紹介したとき、
知り合いの彼は小さな紙の箱を取り出して挨拶をしました。

その箱は、彼のカバンかパンツのポケットの中だったか、
割とガサツに仕舞われていたので、それが名刺入れだとは気づきませんでした。

それまでの私は、iPhoneやデメルのザッハトルテなど捨てられない箱こそあるけれど、
紙の箱を直接ポケットに入れて持ち歩こうとは考えたことはありません。
紙は華奢で破れるものだと、心のどこかで心配しながら付き合ってきたと思います。

知人に「これが名刺入れなの?」と聞くと、
ハタノ ワタルさんという手漉き和紙の職人さんがつくった箱を名刺入れにしていると教えてくれました。

ハタノ ワタルさんは京都北部の綾部地方に伝わる「黒谷和紙」を自ら漉き、その和紙から様々な作品が生み出しています。
訪ねた彼のブースには、石とも金属とも見て取れる不思議な質感の作品が沢山並んでいました。
私はその中から、コンクリートのように白くてざらっとした顔の小箱をひとつ持ち帰り、
その後阪急うめだ本店の「スーク暮しのアトリエ」での取り扱いが始まります。

ちょうどこの頃からでしょうか?
紙が従来の紙としての固定観念を取り払うように。
柿渋や塗料の上にオイルが塗られたりと、市場では丈夫で強いモノへと変わり始めました。

いや、それは進化ではなく、
ほんの少し前まで傘や提灯に使われたり、私たちの生活になくてはならない紙だったことを、
ハタノさんに教えてもらった気がします。

使えばつかうほど、手で触れば触るほどいい顔になる和紙の小箱、
最近私のポケットに2つ目が加わりました。

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